三箱目 ページ5
「森せんせー、おじょー？」
首領室のドアをノックしながら中へ呼びかける。
すると、小さい子の走る足音と大人の足音が近付いてくる。
森「はーい。エリスちゃん、ちょっとドアを開けてくれるかい？」
甘えるような声で、エリスに話しかける声が聞こえると、仕方ないわねと言う声と共にドアが開く。そこには、金髪の可愛らしい少女と黒髪の男性が、微笑みながら立っていた。
エ「千！待ってたわ！おみやげ持ってきたんでしょう？」
「ええ、持ってきたでー。お嬢はどれが好きなんかな？」
背負っていたリュックサックを開け、土産が入った袋を出す。
エ「全部お菓子？千、京都に行ってきたんでしょう？写真はないの？」
千「写真かぁ…お嬢は写真の方が好きなん？現像できとらんけど…カメラに入っとるデータなら見せれるけど。それでもええ？」
カメラを持ち、データを探す。
エ「ええ！みたい！それでいいわ！」
森「えぇ〜。私だって見たい！ねぇ、仲間に入れてよぉ…？」
千「嗚呼…すみません。忘れとりましたw先生も見ます？」
床に座るようにエリスに誘導され、腰を下ろすと膝にエリスが座る。森先生も俺の横に座った。
舞妓の映った写真や、寺の写真を見せる。
森「この女性、すごく綺麗だね。…ていうか君が映ってるのはいないのかい？」
「えー…嗚呼、ありますよ。2枚だけ。舞妓さんの服着せて貰ったんですけど」
そういうと、カメラのボタンを押し写真をスクロールする。途中、大阪で撮った写真が数枚あったがエリスはそっちの方が気になるようだった。
そうして写真を見つけ、森先生がまじまじと見た。
森「おお、女性みたいだねぇ。エリスちゃん、みてみて薬袋君だって。エリスちゃんもこの服着てみないかい？」
エ「ほんと！素敵だわ！千じゃないみたい！ねぇ、ここで着て見てよ！」
「俺に着ろっていうん…？これも遊びで負けていやいやなんやで？お嬢意地悪やぁ。」
頬を膨らませ、エリスの方を見る。エリスは微笑み紅葉に頼みましょ！と提案する。
どうやら俺に拒否権は無いようだった。
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作者名：馬鹿緑 | 作成日時：2020年5月27日 19時
