小さかったはずの彼。

16センチメートル。 ページ17

雑貨屋さんから出て、ヒョギ君とお話をしながら
色々なお店を見て回る

けど


「だめだ、ホンビンの趣味が良く分からない」


軽く一年以上は一緒に働いているのに…


個人情報の事を全く知らないという事を痛感する。


「うわあ、ヌナとして有り得ない…」

HY「ヌナはあんまりホンビニヒョンと話さないの？」


仲良さ気に見えたけど、と付け足すヒョギ君


「仲良い、のかなあ？」


なんか、誕生日とか趣味も知らないのに
仲良いとか言うのはちょっと気が引ける…


HY「仲良いでしょ、見てて分かるもん」

「そうかなあ？私はそう思いたいけど
　ホンビナはどう思ってるか…」

HY「ヒョンは仲良くない人にあんな態度取らないよ」


あんな態度…？


「あ、仲良くない人にはヌナつけないの？」

HY「いや、違くて
　 毒吐かないよって事」


あれって、毒なの？
ただのいじめじゃない？


HY「好きな子ほどいじめたくなる、みたいな？」

「いや、ただ腹黒いだけかと」

HY「まぁ、ヌナは気にしなくて良いよ」

「あ、そう？」


うーん、まぁヒョギ君がそう言うなら良いか




ふ、と通った店を見てみる


「お、」

HY「ん？何か良いのあった？」

「ギターだ…」


音楽関係の物を扱っているそのお店


そう言えば、店で時々ギターを片手に歌っている
ホンビンの姿を見たことがあったな
なんて、思い出した


HY「ヒョンのギター、もうだいぶ古くなってたな…」

「どうしよう」


お店の中に入り値札を見ると、


「…うわあ。」


10万円を余裕で超えているそのギター。


まさか明日がホンビンの誕生日だなんて知らなかったから
お財布の中にそんな大金は入っていない


「…買ってあげたいけど、無理かな〜」

HY「半分払おうか？」

「えぇ！？」


年下に払って貰うなんてそんなこと、流石に出来ない


HY「僕とヌナからのプレゼントって事で」

「いやいや！良いよ、大丈夫！」

HY「でも、」

「ホンビンには悪いけど、違うの買うから！うん！」

HY「…良いの？」

「うん、いいのいいの！
　ヌナって呼ばないあいつが悪い！」

HY「ヌナ、そこ関係無いような…
　 まぁAヌナがいいなら良いけど」





少し、後ろ髪を引かれる思いでそのお店から出た

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