Valentine.

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『 A？またボーッとしてる。』



「 風邪はひいてないですよ 」



『 もうそのことは忘れよう。恥ずいから。』



「 くふふ笑 」



『 あらーん！ 』



『 ん？あぁー、わり、帰りな！ 』



「 …うん、帰りに 」









校門をくぐればすぐに女の子に呼ばれる先輩。






…だから、嫉妬できる立場じゃないんだって。









『 A〜！おっはよーう！ 』



「 おはよ〜う 」



『 Trick or Treat♡ 』



「 いや季節感笑 」









教室に入るなり目をキラキラさせてさっさとチョコくれ！と言わんばかりに季節外れなことを言う乃々華。



はい、と渡すとおいしそー！とはしゃぐ姫が可愛すぎてもう。









『 先輩のは？ 』



「 カップケーキ 」



『 えー！ずるーい！ののも先輩になりたーい！ 』



「 じゃあそれ返して♡ 」



『 ごめんなさい。 』



「 姫のはおまけ付きだよ〜 」



『 大好き。』









朝はチョコが飛び交ってた教室も、時間が経つにつれいつもの教室に戻る。


今日最後のチャイムが鳴ればソワソワし出すみんな。









『 じゃあ、A！頑張るんだよ！』



「 うー…ありがと〜 」



『 すぐLINEね！！ 』



「 どうせ気付かないんでしょ。王子とデートだなんて。」



『 …ノーコメントで。』



「 ちょっとー！笑 」



『 うん！その笑顔！スマイルだよスマイル！ 』



「 ふへへ、ありがと！

…そろそろ王子迎えにいかなくて平気？」



『 あぁ！そうだった！んん！もう！頑張ってね！！ 』









今日は一段と慌ただしいな…。




…いつも騒がしいはずの人が遅い。


いつもなら乃々華と話す時間すら短いのに…。








今日は私が迎えに行こう。

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