お気に召すまま。４

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お風呂上がり、少し厚い財布を開いて銀のリングを人差し指に引っ掛けてみる


隼くんの指、筋肉質だよね、こんな重いものいつも付けてるなんて






「 君は幸せ者だね 」





割と前から見てる気がするけど、新品みたいにキラキラしてて、それでも隼くんの指にしっかり馴染んでた



隼くんは物を大事にする優しい人

…まあ、忘れ物とか、無くし物多いけど、優しい人には代わりない



私もいつか、この指輪みたいに……





＿＿ ♪ 〜






「 もっ、もしもし！ 」


《 もしもし、ごめんなんか取り込んでた？ 》


「 ううん！大丈夫、どうしたの？隼くん 」


《 や、暇だったから、どうしてるかな…って、思って、 》


「 ……あ、えっと、 」





隼くんの事考えてたなんて、しかもあんなこと、考えてたなんて、言えるわけがなくて…





「お風呂、入ってた、？ 」


《 謎の疑問形(笑) 》


「 ごめん… 」


《 俺も風呂入んなきゃ 》


「 え、まだなの？もうこんな時間なのに？ 」


《 コウホウブさん達のおかげでお仕事頂けてるんで、今が頑張り時なんすよね、 》


「 えっ、隼くんたちが頑張ってるからだよ、私たちは何も、 」


《 …最近、仕事はどう？たのし？ 》


「 うん、楽しいよ 」


《 良かったね、Aちゃんが俺たちの広報担当で良かった 》


「 やめて泣いちゃう 」


《 泣き虫 》


「 誰のせいだと思ってるの、早くお風呂入っちゃいなよ 」


《 はーい 》





じゃあね、って切れた電話

結局、隼くんの暇は潰せたのかしら。
たった10分くらいの会話、隼くんはずっと優しくて、ずっとそばに居るみたいな声



人差し指に引っ掛かる指輪

私もいつか、この指輪みたいに大切に、優しく扱われたい。









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