シルシ 〈 hayato.k 〉 ページ38
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《 キスマークは愛の印だよねっ! 》
寝室の床に散らばる服を回収して歩く度に少し痛みが響く腰を摩りながら下着のまま服を洗濯機に突っ込む。
鏡に映る自分の身体を見て出たのはため息以外の何物でもない。
昨日駅のホームでキャッキャ騒いでた女子高校生に教えてやりたい。
キスマークは単純な愛の印なんかじゃない。
これはオレのもの、って醜い独占欲の印だって。
「 はぁ 」
一体いつになったらキレイな肌色になってくれるんだ私の肌は。
消えても新しいものが追加されれば消える意味が無い。
『 ん、おはよ 』
「 おはよ〜 」
寝室に戻るとうつ伏せに枕を抱え込んでスマホチェックするキスマークの犯人。
『 あー、ごめん。』
「 ううん、服着れば見えないし 」
『 んー 』
ベッドに腰掛けるとスマホを放り投げて私の腰に絡む隼。
こんなに可愛い顔してやることは大胆すぎる。
肌に吸い付いて、赤くなっていくそれをみて隼は満足そうに「誰にも見せるなよ」って笑うんだ。
いつも可愛い隼を見てる分、そのギャップにやられる。
「 隼今日お仕事は? 」
『 今日ね!今日の夜から明日の昼までオフ!もうちょー頑張れる〜 』
「 じゃあ夕飯食べれる? 」
『 うん!』
「 何食べたい?作って待ってるよ 」
『 唐揚げ!久しぶりにゆっくり食えるね〜 』
「 そうだね、最近忙しいもんね 」
『 ありがたいよほんと〜笑 』
「 お疲れ様です 」
太ももにほっぺを撫でる隼のふわふわした金髪を撫でれば、ふふふ、なんて可愛い声して腕の力を強める。
「 時間大丈夫なの? 」
『 9時に事務所だからあとちょっとゆっくりする 』
「 …隼、1個だけ迷惑なことしていい? 」
『 なにそれ?笑 』
隼の腕を剥がして上に跨る。
左胸の辺りをトン、とつついて目線で訴える
『 …いいよ、脱がないし。気が済むまでどうぞ? 』
ずるいよ、そうやって隼ばっかり余裕で。
だから私も余裕なフリ。
ドクンドクン、と少し早い心臓の近くに、ひとつだけ、赤い花を咲かせた。
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聖也(プロフ) - 隼くんのエグい話の方が気になって仕方がないです笑 それにしても、どのお話も素敵過ぎます! (2017年6月2日 22時) (レス) id: 34ecd099f6 (このIDを非表示/違反報告)
聖愛(プロフ) - れおくんの【カミナリ】また見たいです!急にすいません!リクエストです!これからも頑張って下さいね!応援してます! (2016年2月24日 19時) (レス) id: fbed1c1f5c (このIDを非表示/違反報告)
もりか - コモリサンの話最高 (2016年2月14日 12時) (レス) id: 5f54ca14af (このIDを非表示/違反報告)
ミンちゅ~(プロフ) - 玲於くんの話が読めて満足しました!笑最終的に玲於くんがデレるってやつ大アリです!笑リクエストに答えて下さってありがとうございました! (2016年2月7日 22時) (レス) id: 9e26668220 (このIDを非表示/違反報告)
くまのぷーさん - 私も長女なんですよ!なかなか甘えられなくて……笑 移行したら、またリクエストします!! (2016年2月7日 20時) (レス) id: cf8db695fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なーちゃむ | 作成日時:2016年1月20日 13時