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『もしもし、どうしたの?』

朝ぶりの声だ。
珍しいやつからかってきたと困惑しているのが伝わる。

「無事に帰れたかよ」

『え?うん、もう家だけど…なんで?』

「あ?なんでじゃねーよ、お前乱数の車に乗ってただろ」

偶々みたんだよ偶々。
手まで繋いで。
駅で見たこと追求してみれば、何事もなく降ろしてくれたようだ。
しかし、初めて会ったけど悪い人ではないとかなんとか、あーだこーだ言いやがる。

「お前は学ばないタイプか?知らねぇやつにノコノコついていくんじゃねぇよ!」

何しにヨコハマ出てきた思ってんだ。
今日ぐらい大人しくしとけよ。

『そんな怒らなくても!知らない人ってわけじゃなかったし…』

「は?お前はポンコツか?黙って銃兎に送られてれば良かったんだよアホ。変な気使いやがって」

何が俺を待たせるのは悪いだ、そういうとこなんだよお前の性格。

乱数に連絡先教えてもらったらしいが、
関わるなと念を押した。
何やらかすかわかんねぇ。

とりあえず、真っ直ぐ帰れたならそれでいい。
これ以上聞くことはない。
切る旨を伝えれば『待って!』と聴こえてくる。

「んだよ」

『銃兎くんから聞いたんだけど、犯人見つけてくれたの左馬刻くんなんだってね』

あのクソうさ公、また余計なことを…言わなくていいっつーの。

「今日お礼言いたかったんだけど会えなかったから…ありがとうね」

ありがとう?
な、なんだよそれ。心臓がうるさい。
急に言ってくるんじゃねぇよ、なんなんだよ。
心臓うるせぇよおい。


『聞こえてる?』

慌てて「おう」と答えた。

『今度お礼させて』

「なんだよ、雪でも降んのか?」

『失礼な。ご飯でも奢るよ』

「ふっ、うまいところ連れていけよ」

『探しておきます』

「ああ、また連絡するわ。じゃあな」


電話を切ると、後ろから合歓の声がした。

「忘れ物〜…って、お兄ちゃん顔ニヤけてるよ?」

ニヤけてる?んなわけ…
指摘されて思わず真顔に戻る。

「ニヤけてねぇよ」

「ニヤけてた、何か楽しそう。良いことでもあったの?」

「まあな」

「え!なになに??教えて!」

「今度な」

お兄ちゃんのいじわるー!
頬っぺを膨らませてすねる合歓は可愛いが
正直アイツの声が頭の中でリピートしちまってた。

二人で飯行くのなんか初めてだ。

何食わせてもらおうかな。



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設定タグ:ヒプマイ , 碧棺左馬刻 , ヨコハマ   
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チミ(プロフ) - 曇天に笑うさん» 小説を読んでいただきありがとうございます。曇天に笑うさんの仰る通り「佐」となっていた箇所が複数ございましたので訂正致しました。ご指摘ありがとうございました。 (2020年4月14日 15時) (レス) id: 45074b8498 (このIDを非表示/違反報告)
曇天に笑う - 佐馬刻の佐が違う左だけど (2020年4月14日 13時) (レス) id: 96967fede0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:那賀川かがな | 作成日時:2019年9月24日 2時

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