3-1.撮影 ページ6
「リラックスして良いよ。長丁場になるから、じゃんじゃん話してね」
「おーよ」
「は」
はらいさん、と呼ぼうとして、堅苦しいのは嫌いだと言われたことを思い出す。
口に馴染まない固いものを噛み砕く気分で一息に呼んだ。
「空却くんは、僧侶なんだっけ」
「おう、これでもすげェんだからな」
この場に置いて俺の方が目上に当たるからだろう。
空却は控えめだ。
右手を後頭部に、うんそう、で少しだけ頭傾けて目線カメラに……はいオッケー、良いよー。
世間話の合間に、基本的なポーズを押さえていく。
「Naughty Bustets だっけ。好きだったんだよね」
呼びかけに、空却の目がきらっと光った。
もともとキツめの眼差しが、わずかに弛緩して柔らかい色を見せる。
もちろん、それも撮った。
「マジかよ、嬉しいわ」
「空却くんの事それで知って。撮ってみたいな、ってずっと思ってた」
「なら念願が叶って嬉しいってか？ンな事改めて言われるの初めてだわ」
かしゃん、幾度となくシャッターを切る。
空却は勘が良かった。
これがただの雑談ではなく、撮影の踏み台だとちゃんと分かっているのだろう。
意識的に会話を育てて場に動きを加え、表情の起伏を深めていく。
撮影を見ていた社長もいいじゃん自然で、と声を弾ませる。
時間が経つほど頬の強ばりがとれ、笑顔もだいぶ自然なめのになった。
コンディションが整ったのを感じ、俺も撮影に没頭した。
空却と俺しか居ない世界で、空却のもっと美しい断面を模索する。
髪を掻き上げて、伏せ目がちに、ポーズはそのままで視線だけずらして。
だんだん背中が火で炙られたように熱くなる。
脈絡のない快感が体を満たした。
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守澪 、 - Mad Sick Bad＊さん» 閲覧 、コメントありがとうございます 。空却くん良いですよね 。公式のかっこよさを小説で表現し 、惚れて頂けて嬉しいです 。もう少し続けていこうと思うので 、これからも宜しくお願いします 。 (2020年1月20日 19時) (
レス) id: f62cf8cecd (このIDを非表示/違反報告)
Mad Sick Bad＊ - 空却くん可愛いし綺麗だし、格好いいなァ。惚れ直す。 (2020年1月19日 18時) (レス) id: 9175532e2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：守澪 、 | 作成日時：2019年12月18日 20時
