1-2.仕事 ページ3
5年前、芸能雑誌のカメラマンだった叔父さんは勤めていた出版社を辞め、次いでにカメラもすっぱりとやめて、知り合いと一緒に小規模の芸能事務所を立ち上げた。
起業当時は手が足りず、高校生だった俺にも買い出しやお茶汲み、データ入力の声がかかった。
割りのいいアルバイトとしてそれを引き受け、打ち合わせやスタジオに出入りするうちに、俺はカメラに心を奪われた。
同じ景色なら誰が撮っても同じだと思っていたけれど、撮影者が見たもの、感じたものを写し出す極めて個別なものだと知って酷く興奮した。
これなら何よりも見付けたものの綺麗さをそのまま伝えられる、と考えたのを覚えている。
高校を卒業し、専門学校に通い、事務所のカメラマンとして生計を立てる様になった。
子供の頃から、人の生死に触れていたおかげか、俺は綺麗な一瞬を見付けるのが同期の誰より得意だった。
どこを切り取ってどう見せれば特別になるのか、教わるまでもなく分かっていた。
講師のプロカメラマンの中には対象を加工することに慣れ過ぎている、ありのままを撮ろうという気概がないと嫌う人も居たが、大筋で作品に対する評価は高かった。
卒業後の進路として、有名なカメラマンのアシスタントの口を紹介されたものの、誰かに習い働くよりもこれまでと同じように、自分の感性で美しいものを探し向き合う方が、性に合っていると感じ、事務所に就職した。
求められている綺麗さや、流行を素早く捉え、もっともっとと可能性を引き出してシャッターを切るのは、やりがいのある仕事だった。
「さっちゃんは、きっと俺よりカメラに向いているよ」
身寄りのない俺の面倒を見てくれた叔父さんはいつまでも俺を子供の様にさっちゃん、と呼ぶ。
けれど、俺の進路を受け止めて歓迎し、もう使わなくなったいくつかのカメラをプレゼントしたくれただけでなく、撮影時のテクニックやモデルとのコミュニケーションの取り方を教えてくれた。
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守澪 、 - Mad Sick Bad＊さん» 閲覧 、コメントありがとうございます 。空却くん良いですよね 。公式のかっこよさを小説で表現し 、惚れて頂けて嬉しいです 。もう少し続けていこうと思うので 、これからも宜しくお願いします 。 (2020年1月20日 19時) (
レス) id: f62cf8cecd (このIDを非表示/違反報告)
Mad Sick Bad＊ - 空却くん可愛いし綺麗だし、格好いいなァ。惚れ直す。 (2020年1月19日 18時) (レス) id: 9175532e2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：守澪 、 | 作成日時：2019年12月18日 20時
