ヨコハマ監視 1-1 ページ8
ヨコハマ来たぞー。口実どうしよう。
「何にも考えてない……」
イケブクロに行った時はちゃんと考えてたけど、今回は何も思いつかなかった。どうしよう。碧棺さんの事務所行く? あ、合歓さんに会いに来た、って事でいいかな? よしそうしよう。碧棺さんの事務所に着いてチャイムを押すと、中から厳つい人が出てきた。ヤクザって感じの人。
「何か、御用ですか」
怖い。圧がすごい。返答を間違えたら、ヤバい。
「えと……碧棺さんに、会いにきました。いますか……?」
「少々お待ちください」
間違ってなかったみたい。生きてるもん。少しして、碧棺さんが出てきた。
「よぉ。久しぶりだな」
「お久しぶりです、碧棺さん」
「立ち話もアレだし、中入れや」
「お邪魔します……」
碧棺さんについていくと、周りのヤクザさん達がめっちゃこっち見てくる。でも、碧棺さんが睨むと、皆目をそらす。碧棺さん、偉い人なんだなぁ。
「左馬刻。お客さんですか? 随分と可愛らしい方ですね」
監視対象がいた。一か所にまとまっててくれるとは、優しいな?
「こいつは紀狐だ」
「初めまして……」
「紀狐か。よろしくな。小官は、毒島メイソン理鶯だ」
「初めまして。入間銃兎と申します」
「毒島さんと、入間さん。よろしくお願いします」
入間さんは、悪徳警官だっけ? で、毒島さんが元軍人。要注意だなー、強そう。
「で、紀狐。今日は何しに来たんだよ」
「あ、えっと……」
どうしよう。三人揃ってるなら、ここから動きたくない。でも、いい感じの口実が浮かばない。
「近くを通りかかったので……挨拶しておこうと思いまして」
当たり障りのない事言っといた。これなら怪しまれないよね?
「そうか。ところで、貴殿は昼食を食べたか?」
「食べてないですけど……」
「それなら、小官が料理を振る舞おう。少し待っていてくれ」
毒島さんが料理作ってくれるって! 碧棺さんと入間さんがソワソワしだしたけど、どうしたのかな?
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