お母様からの信頼 ページ3
「お母様ー! 来たよー!」
私がそう言うと、椅子に座っていたお母様……総理大臣の東方天乙統女様は眉をひそめてこう言った。
「紀狐。今日は真面目な話をする、と言ったはずです。なぜ、あなたはクレープを食べているのですか」
「食べたかったから! ……ダメ、だった?」
「これからは辞めなさい」
「はーい」
私が返事をすると、お母様は満足気にほほ笑んだ。しかし、すぐに真面目な顔になって、こう言った。
「あなたには、各ディビジョンの監視を任せます」
「……監視?」
私が首を傾げて言うと、お母様は頷いた。
「何をすればいいのー?」
「今度、ディビジョンラップバトルがあるのは知っていますね?」
私が頷くと、お母様は説明を続けた。
「バトルに出るチームの監視……それがあなたの仕事です」
「なんで監視するのー?」
「バトルを行うのは中王区。つまり、中王区に男達が入るのです。その時に男達が何かするかもしれません。それを防ぐためです」
うーん……よく分かんないけど、お母様に言われたから大事なんだよね。頑張ろう。
「中王区に害があると判断した時は……分かっていますね、紀狐」
私の鞄を見ながら、お母様は言った。鞄の中にはヒプノシスマイクが入っている。
「はい、お母様」
監視は明日から。まずはイケブクロに行こうかな。年も近いし。
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