【ヒプノシスマイク】おい、こいつどうにかしろpart5

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Aside





人をかき分け進んでいくと、どこか見慣れた姿が1つ



髪型が違うせいか雰囲気も違って見える


でも、すぐに気づくことが出来た



向こうも私に気がついたようで一瞬目を見開き、私の方へと駆け寄ってきた





｢A、あの、私……！｣

｢話は聞かない｣

｢……！｣

｢……こんなところでするものじゃないでしょ
場所を変えよう｣

｢A……｣





コロコロと表情を変える彼女は、昔の私のように見えた



それがなんとなくおかしくって、少し笑ってしまう



私たちは事務所へと足を進め、扉を開けた





｢ここは？｣

｢私の事務所｣

｢事務所って……？｣

｢奴が殺した人物が遺してくれたの｣

｢あ……｣

｢……あんたも知ってたの？
殺害計画もその理由も｣

｢し、知らなかった
後から聞いたの……
私だって知ってたら止めてた！！
いくらなんでもここまでやるなんて……！！｣

｢ここまでって……
裏切る行為自体なら別にいいと思ってたんだ｣

｢ちがっ……！｣

｢別にもういいよ
空っぽになった私に愛を教えてくれた人がいた
頼ることができる人がいる
支えになってくれるもできた
もう、私はこれ以上望まない｣

｢A……｣

｢……今は彼らとの時間を大切にしたい
もう過去には囚われない
今を、未来を生きていきたい｣

｢……A、変わったね｣

｢そりゃもうあれから結構経ってるからね｣

｢私、謝って仲良くなって、また隣に並んで……
もう1人にさせないで償おうって思ってた｣

｢……うん｣

｢でも、もうそれも必要ないね
一丁前にAのこと、心配してたんだ
あいつに逆らうのが怖くて、バカみたいに従ってたくせにね……｣

｢……うん｣

｢Aが元気なら、大丈夫ならそれでいい
会ってくれて、話してくれてありがとう｣






そう話す彼女は涙を零していた


その姿はなぜか綺麗に見えて、決して偽物の涙には見えなかったんだ

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