【ヒプノシスマイク】おい、こいつどうにかしろpart5

story130 ページ12

Aside




深く


深く、深くどこかに沈んでいくような感じがした



今でも鮮明に思い出せる彼の身体の重みも


生暖かった流れていた血液も


最後まで変わらなかったあの優しい笑みも



全て私の心の奥深くにしまい込んでおくつもりだった





｢おい、A！
しっかりしろ！！｣

｢大丈夫か、A｣





懸命に私の名前を呼んでくれる銃兎さんと理鶯さん


あぁ、今の私にはこんなにも心配してくれる人がいるんだな





｢おい、ヒプノシスマイクでリリック食らったわけでもねぇのにくたばんじゃねぇぞ！！
てめぇはそんなやわじゃねぇだろ！？｣




そして、私のために戦ってくれている人もいる




｢銃兎さん、理鶯さん……｣

｢A？｣

｢私、今とても嬉しいです｣

｢……は？｣

｢奴に捕まったときは薬飲まされて何も考えられなかったけど、今は違います
ちゃんと考えることができます
みんなが、こうして助けてくれることを本当に感謝しています｣

｢何を今更……｣

｢だから、もう皆さんの思いを無駄にしない為にも、もう迷いません｣





私が2人の瞳を見て言うと、少し驚いたような表情をしたあとニッと笑った


その笑みが思った以上に似合わなくて笑ってしまう





｢笑うなんて失礼じゃないですか？｣

｢ちょっと予想外で……ふふっ｣




笑いを堪えながらそう言うとため息をついた銃兎さん


『笑っている暇なんてないでしょう
左馬刻が奴とのバトルに勝っても捕まった時と同じですよ』


そう言った銃兎さんはどうするべきか、と考えていた




｢何か考えはあるのか？｣

｢それは……｣

｢私に任せてください｣

｢え？｣

｢どうする気だ？｣

｢私のこと、誰だと思ってるんですか｣




そう言って笑うと2人は疑問そうな表情を浮かべた

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