◇169◇ツナside【チョイス前夜】 ページ21
いよいよ明日は決戦の日
俺達の修業は完璧に仕上がっている
白蘭に負けるつもりなんて無い、けれど…全員無傷とはいかないかもしれない
だから明日、A達にチョイスを観戦しないでいてもらうか、迷っていた
これ以上、血腥いものを見せたくない
だが、「一緒に戦いたい」と言ってくれた彼女達の気持ちを裏切ることになると思うと、決断できずにいた
明日の朝には話さないといけないのに…
ハッキリと結論が出さないまま夜になり、最後の調整とミーティングを終えて今日もいつもの部屋へ向かった
A「ツナくん、居る？」
「！ああ、」
ベッドに腰掛けて悩んでいたら、いつの間にか時間が経っていたらしい
A「待たせてごめんね。片付けしてて」
夕飯は「明日に向けて」とご馳走をたくさん用意してくれたから、片付けに時間がかかるのも無理はない
俺の隣に腰を下ろしたAは、何だか嬉しそうにニコニコしていた
「どうした？」
A「いやぁ、入江さんとスパナさん、お弁当毎回喜んでくれてるってことしか知らなかったから、やっと会えたなって」
「あぁ、俺もアジトに来るのが前日になるとは思わなかった」
A「ゆるっとした優しい感じの人で安心したねって、さっき皆で話してたんだ。すっごく眠そうだったけど」
「明日に間に合うようにほぼ毎日徹夜で作業してくれてたからな…」
A「そうなの！？じゃああの緩い雰囲気も、眠かったから…？」
「いや、正一もスパナも元々あんな感じだ」
A「あ、そうなんだ。ふふ、」
…せっかくAがこうして笑っているのに、明日のチョイスの話をすればきっとこの笑顔は曇る
それどころか、「何も分かってくれていなかった」と傷つけてしまうかもしれない…
A「…ツナくん？」
「…あ、」
いつの間にか下がっていた目線を上げると、Aが心配そうに眉を下げていた
A「明日のこと、考えてる？」
「…ああ」
肯定の返事の後に言葉を続けられず、沈黙が流れる
A「…私が聞いても分からない話？」
「…いや」
A「…良かったら話してみてよ。その、私いつも助けてもらってばかりだから、聞き相手くらいにはなれたらって、思って」
そう言う彼女の声はすごく優しくて、胸が締めつけられた
やっぱり…俺のエゴを押し付けることになっても、俺は…
「Aと、京子とハルにも、頼もうと思ってることがあるんだ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 307人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「リボーン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆかり(プロフ) - あえて原作沿いってのもいいですね、 (4月14日 20時) (
レス) id: a64b7436ba (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 綱吉大好きなので続き気になります！主人公ちゃんとの展開気になります (4月14日 20時) (レス) id: a64b7436ba (このIDを非表示/違反報告)
夏みかん(プロフ) - りっちゃんさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！超スローペースですので気長にお待ちいただけると幸いです (3月15日 11時) (レス) id: bb0a58f2b5 (このIDを非表示/違反報告)
りっちゃん(プロフ) - お気に入りに登録するぐらいこの話が大好きです。こんな話をずっと待ってました。夏みかんさんは神です❗ハイカレ5楽しみにしてます。頑張ってください‼️ (3月11日 17時) (レス) id: afa3a029ad (このIDを非表示/違反報告)
夏みかん(プロフ) - さくらさん» 何度も読み返してくださった上にコメントまでありがとうございます。理想のツナくんを求めて探し回り、見つけられず自給自足し始めたのがコレなので、理想的と言って頂けてとても嬉しいです！ (2023年3月11日 5時) (レス) id: bb0a58f2b5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夏みかん | 作成日時：2015年6月24日 17時
