◇126◇ツナside ページ28
出会った時からずっと何も聞かずにいてくれた彼女の問いに答えられないのが苦しかった
でも、言えない
言ってしまったら…本当に、完全に巻き込むことになる
Aは怖くて汚い世界のことなんて知らなくていい
そのまま、変わらず笑っていてほしい
「…怖い思いさせて、ごめん」
A「…うん……、怖かった。ツナくんに何かあったらって思うと…」
「A…」
A「私ね、包帯替えようと思ってツナくんの部屋に行ったの」
「！、そうだったのか」
…本当は、もうとっくに包帯を巻かなくていいくらいには治っている
ただAとの約束が嬉しくて、ワガママを言っていただけだ
自分でも子供っぽいと思う…けど、Aといる口実が欲しくて…
「背中の傷はもう大丈夫だ。気にせず休んでくれ」
A「…うん」
Aが安心したと同時に少し寂しそうに見えるのは、自惚れだろうか
本音は…口実なんかなくても一緒にいられたらと思う
Aが俺と同じ気持ちでいてくれたなら、どんなに幸せだろう、と
でも…怪我させたり、泣かせてばかりの俺には…そんなことを望む資格はないのかもしれない
A「ツナくん、またそういう顔してる」
「…え」
A「痛そうな顔」
Aがするりと俺の頬に手を添えた
A「私はツナくんを責めてなんてないし…もういいんだよ…？」
そう言って微笑んで許してくれる彼女に、愛しさが溢れる
頬に触れる手はどこまでも優しい
Aがこんなに言ってくれているのに、いつまでも情けない顔をしてる訳にいかないな…
そう思い直し、俺はAの言葉に頷いた
けれど、俺自身を責める気持ちは消えることは無い
「守り抜く」と誓ったばかりなのに…もうこれ以上、Aに怖い思いをさせるわけにはいかないから
戒めるように、今のこの気持ちを刻み込む
そんな心の内を知らない彼女は、「よかった」と安心した様子で微笑んだ
ああ…やっぱり……この笑顔は、ほっとする
A「そうだ、ツナくんもう1回お風呂入ってきた方がいいよ。風邪引いちゃう」
「…もう少し、」
京子・ハル「Aちゃん！！」
A「あ、京子ちゃんハルちゃ…」
京子「頭打ったってビアンキさんに聞いて…！」
ハル「大丈夫なんですか！？」
すごい剣幕で飛び込んできた2人がAの横を陣取る
当然、俺の入る隙は無く…大人しく風呂に入り直すことにした
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 91人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「リボーン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アイシー(プロフ) - 今まで白ツナや黒ツナ等だったので、ハイパーって新しい！と思ったのと同時にハイパーツナ君に惚れてしまいましたｗハイパーでもツナはツナのままのところとかがすごく可愛らしいし、戦闘シーンはかっこいいです！これからも頑張ってくださいっ!!! (2015年6月22日 7時) (
レス) id: dfd3b15349 (このIDを非表示/違反報告)
あやにゃん(プロフ) - 夏みかんさん、初めまして！ハイパーカレシ、ツナのちょっと不器用な感じと、夢主ちゃんのツナへの思いがもうたまらないです！ご自分のスピードでよろしいので、更新頑張ってください！応援させていただきます！ (2015年6月9日 2時) (レス) id: 75663eea7a (このIDを非表示/違反報告)
ユズ(プロフ) - 突然失礼します。とってもいい小説なのでコメントさせていただきました。ツナさんと夢主の今後が気になりますが、雲雀さんと夢主の関係も気になります!!いったいどんな関係なのですか!?(これは聞いちゃダメか(笑)とっても気になります。頑張って下さい,応援しています。 (2015年5月25日 19時) (レス) id: be793533bd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夏みかん | 作成日時：2015年5月21日 16時
