＊ハイパーカレシ２＊ (ページ5)

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ハル「ビアンキさぁん…！」

ビアンキ「怖かったわね…」

泣きつく2人の頭を撫でるその人は、聞いていた通りとっても綺麗な人だった

感動の再会を少し離れて眺めていると、ビアンキさんとぱちっと目が合った

挨拶、しなくちゃ

「は、はじめまし…」

ビアンキ「A」

「！」

ビアンキ「私にとってはもう…妹みたいなものよ、A」

ビアンキさんにぎゅうっと抱きしめられる

ふくよかな胸に顔が埋まって、“大人の女性”って感じの香りがした

ビアンキ「…頑張ったわね…A…」

「…え…？」

ビアンキ「…この時代のあなたに、私はろくな言葉をかけてあげられなかった…ごめんなさい…」

懺悔するように呟くビアンキさんの声が…少しだけ震えているように聞こえる

…何のことだかさっぱりだけれど…きっとこの人は10年後の私のことをすごく気にかけてくれていたんだ

「…あの、謝らないでくださいビアンキさん。10年後の私はきっと…ビアンキさんが居てくれるだけですごく心強かったと思います」

ビアンキ「……あなたのそういう優しいところ、10年後も変わってないわ」

そう言ってビアンキさんは笑ってくれた

フゥ太「…A姉…僕も抱きしめていい？」

「…えっ？」

ツナ「フゥ太！？」

ソファに座ってみんなのことを嬉しそうに眺めていたツナくんが声を荒らげた

フゥ太「10年前のA姉はまだ男が苦手だって、分かってるんだけど…」

しゅんとするフゥ太くんは仔犬のようで、年上のはずなのに可愛い

10年前の小さな彼を知っているからか、彼が中性的で優しそうだからか…自分でも分からないけど、嫌悪感は全く無かった

「…いいよ、どうぞ」

手を広げてみると、フゥ太くんは嬉しそうに少し屈んで私に腕を回した

思ったより背が高くて背中が広くて、ちょっと驚いた

「…今の私は…フゥ太くんとは1度会ったことがあるだけなの」

フゥ太「うん…そうだよね。でも僕にとってA姉は出会った時からずっと、綺麗で優しくてあったかいお姉ちゃんだよ」

「…ありがとう…」

言葉が、じんと胸に広がっていく

私をそんな風に見てくれる人がいたなんて

フゥ太くんは「これ以上はツナ兄に怒られちゃうからやめとくね」といたずらっぽく笑った