＊ハイパーカレシ２＊ (ページ15)

今日:16 hit、昨日:21 hit、合計:63,841 hit

◇63◇ツナside【ゆっくりと朧げに】ページ15

ラル「…よし、ここまで。30分後に再開する」

そう言ったラルがさっさとトレーニングルームから出て行くのを見送りながら、ハイパー化を解いた

休憩時間はいつも食堂へ水分補給しに行くため、例に漏れずエレベーターに乗り込み7階のボタンを押す

移動しながら、昨夜のAのことを思い出した

いつもより少しだけ夜更かしして、Aと話し込んだ夜

荒んだ未来の世界にいることを忘れてしまうような、穏やかで優しい時間だった

Aのほわっとした嬉しそうな表情、いつもより少し小さめな声…

露出の多い寝巻きから覗く白い肌、近づくと香ったシャンプーのにおい

暇さえあれば勝手に頭によぎるんだ

…今日、もう何度目か分からない

ハル「あ、ツナさんっ！修業お疲れ様です！冷たいお茶でいいですか？」

「ああ…頼む」

食堂に入ると、Aの姿は見当たらなくて…

たった今あんなことを思い返していたばかりだから少しほっとする

「…ハルだけか？」

ハル「京子ちゃんはお洗濯中で、Aちゃんはランボちゃん達を連れてお野菜採りに行ってます」

「菜園か…行ったことないな」

ハル「楽しいですよ！未来の技術のおかげで季節関係なく色んな物を育てられるんです」

野菜を収穫するという作業は大変そうなイメージがあるが…Aは1人で大丈夫なのだろうか

イーピンはともかく、ランボは手伝うどころか困らせていそうだ

見学も兼ねて、Aを手伝いに行くか

「ごちそうさま、」

ハル「はひっもう行っちゃうんですか！？せっかく2人きりなのに…」

「…菜園見学してくる」

ハル「ツナさん冷たい！」

そう嘆くハルに構わず立ち上がった

ハルのこういう言動は今に始まったことじゃないのに、未来に来てからどう反応していいか迷うことがある

適当にあしらってはいけないような、きちんと向き合わなければいけないような…そんな気がして

今までどういう風にしていたか、分からなくなってしまった

何故急にそんな気になったのかは自分でも分からないのだが