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「てなわけで、マネになった Aちゃんでーす。」
気だるそうな紹介と共に、部員さんの拍手が聞こえる。
『あ、、の、よろしくお願いします！』
昔から人前に立って自己紹介するのが嫌いだった。
新学期の挨拶なんてもってのほかか、なるべく他人に目をつけられないように、日陰だけを歩いてきた私にとって、この場はだいぶ明るすぎた。
「やっとウチにもマネさん来たんすね！」
「うるさい下手くそ」
なんて楽しそうな声が聞こえるけど
私わ緊張で口から色々でそうだ。
そんな時にトンっと私の肩に
彼は優しく手を置いた。
「そんなに怯えなくても大丈夫だから。
よろしくね。お嬢さん」
触れられている部分がやけに熱く感じる
火傷のような熱さではない。
でも体全身に飛び火してくる。
『よろしくお願いします！、黒尾鉄朗さん！』
その時体育館がどよっとした。
『え？』
なんて目を丸くしていると
「待って待って待ってしんどい。
フルネーム呼びはしんどい。さすがに面白い」
「………馬鹿なのっ、」
「黒尾鉄朗さんとか…」
悶絶するように笑い耐えている皆さんが目の前に沢山いる。
「クロでいーよ」
と後ろをむくと、手のひらで顔を多いながら
笑いかけてくれる先輩。
『いや、さすがにそんな。恐れ多いです！』
「んーでも、黒尾鉄朗さんはやめて」
『すみません…』
「さすがにフルネームは恥ずかしいわ」
『じゃあ、クロ…さん』
名前を口にするだけで、心拍数がどっとあがる。
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「ん。上出来」
.
私は夢を見ているんだろうか。
こんなに幸せでいいんだろうか。
分からない。
分からないけど。
できるなら私はずっとこのままがいい。
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続く (更新停止中)
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作者名：ぶー | 作成日時：2020年6月27日 23時
