男の子は苦手です。【桃】 (ページ43)

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ジャーーーーーー ... っと汚れは落ちていくけど、この感覚と、記憶は落ちないし、無くならない。

くちびるもゴシゴシと擦るけど、あの時の流星の顔も、感覚も何もかも消えない。

『っ ... 、なんで私ばっかり、』

手足、体中ゴシゴシと擦りすぎて、真っ赤っかになるけど、それでも足りなくて。

この感覚も、記憶も、何もかも ' ヨゴレ ' みたいに流れ落ちたらいいのに。

そう深く思った。

バスタオルでふいて、リビングへ向かうと、大毅が私の元へ駆け寄ってきて。

赤「ちょっ、なんでそんな手足真っ赤やねん！冷やすもん持ってくるからソファ座っとき。」

パタパタと足音を鳴らして、冷蔵庫へ急ぐ大毅。良く見てるなぁ、

大人しくソファに座ると、大毅が腕いっぱいに冷やすものを持ってきて、あちこち冷やしてくれる。

赤「 ... 全部洗い流したい気持ちもわかるけど、 Aが痛い思いする必要ないねん、」

『 ... 、汚れなんて流せば落ちるのに、感覚も、記憶も落ちないの、』

大毅は何も言わず、ぎゅっと氷を持つ手を強ばらせただけだった。