男の子は苦手です。【桃】 (ページ31)

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桃side

入学したときから、隣におったAちゃん。

可愛ええなって、話しかけたら、恐る恐る名前を教えてくれた。

その声も、友達と話してるときの綺麗で可愛い笑顔に惹かれた。

ちょっとずつ近づきたくて、頑張ってたのに、

いっつも隣には重岡くんがおった。

Aちゃんは、重岡くんだけを名前で呼んで、可愛い笑顔も向ける。

いっつも隣におる重岡くんが羨ましかった。

あんな近くでAちゃんの笑顔も、声も独り占め出来るんやから。

でも、重岡くんとしか居らん理由も、重岡くんとしか話さん理由も、全部今日、 Aちゃんから聞いた話で辻褄があった。

知らんうちに俺はAちゃんを傷つけてたんや。

でも、俺と向き合おうとしてくれてる。

それだけが、それが嬉しくて仕方なかった。

ここからゆっくり距離を縮められたらええなぁ、

なんて、考えてたけど、

現実はそうも行かなかった。