妥協案を提示しましょう ページ2
「あのさ！！言っとくけどさ、私は正直ただ単にゲームしてただけで、霊力みたいなのないからね！？」
「ご安心ください！刀剣乱舞というゲーム自体に、霊力を鍛える効果が含まれています！」
「余計なもん入れたな！！」
拒否権は無し、私は審神者として命を賭して戦わなければならないのだ。
ただの会社員である私が……そもそも、とうらぶがリアルだってことだって全然理解できていない。
「……いつ行かないといけないの？」
「出来れば即刻、本丸に行って頂きたいです。」
「鬼か？？」
荷造りとか！色々！あるじゃん！！
そもそもいきなり生活を変えるなんて、ストレスで死んでしまう。
というか実際あの子達に会うとか某あの人のように「目が！！目がぁあああ！」となってしまう。
美形に囲まれるということが、彼氏を無くして3年の女にどれだけ効くか…！
「無理！ほんっっとうに無理！！」
「ですが、審神者様には審神者の能力があり審神者をやって貰わねばなりません！」
「オッケー今すぐ死ぬわ！！」
「お、お待ち下さい審神者様！何がご不満なのですか！？審神者様の愛する刀剣男士様達、豪華な本丸暮らし、万屋などの政府が用意する街に降りれば花街だってあるのですよ！？」
「そこまで欲求不満じゃねーっつーの！！」
人間をなんだと思っているんだろう政府は。
誠に遺憾である。
とにかく、少しずつ慣らさなければ私の精神は尊さと眩しさと愛しさにやられて間違いなく死ぬ。
政府としても今私に舌を噛み切られて死ぬのは嫌だろう。
そうなれば交渉の余地はあるはず。
後私の愛子達を巻き餌みたいに言ったことは許さない、絶対にだ。
困惑しているこんのすけに向かって、じゃあ、と言い放つ。
「ゆっくり慣らさせて！例えば、一人ずつ会って刀剣男士と慣れて行くみたいな感じで！
どうせ、行ったら帰って来れないんでしょ！？」
「ええ、歴史のことが口外されたら堪りませんので。」
「尚更行かねえよ！！？」
「ええっ！？皆さん、大喜びで行ったのに…ヘタレなんですか？」
「殺すぞ。
………私は、あの子達が居るのは嬉しい。
でもね、それで全部を捨てる程私は今の繋がりを疎かにしてるわけじゃない。
母さんや父さんに親孝行とか、大学に行く妹に仕送りをしないと行けないの。
だから、今すぐ行くわけには行かないの。」
「……分かりましたよぅ。」
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作者名：逃亡者 | 作成日時：2020年1月27日 22時
