花九輪 ページ29
「私、温泉入ってきますね。」
「そうか。」
「中也さんは?」
「後で入りに行く。」
太宰の奴に光里の様子を聞いてからだな。
Aは浴衣をもって部屋を出ていった。
◇◆◇
「・・・・これは、」
「中也さん・・・?」
温泉から出ると、丁度Aもそこに居た。
風呂上がりは何度も見た。だが、浴衣姿では今回が初めて。
頬は赤く上気して、髪を上げてるせいで白くて細い項が見える。
これは・・・かなり危ないな。
果たして、最後まで我慢できるのか。
元々、理性は強い方じゃない。
思いっきり押し倒すかもしれねぇな、こりゃ。
しかし、まあ、夫婦なんだし、別に良いかとも思う。
その時は、その時だ。
流れに任せよう。
◇◆◇
真逆、その流れがこんなに早く来るとは思わなかった。
今、俺はAを押し倒している。別にそうしようと思った訳じゃない。
夕食を食べ、布団も敷かれ、さあ寝よう。というときに、Aが滑って転けた。
それを阻止しようとして、こうなった。
「あの、ちゅーやさん・・・・?」
夕食のときに、少し酒を飲んだせいか、酒に弱いAは少し呂律が怪しい。頬だって、正に林檎のように赤い。
転けたせいで浴衣も少し乱れている。
白い肌が、目に入る。
駄目だ。もう、我慢の限界だ。
Aの唇にそっと、口づけを落とす。
顔を上げ、それから、髪を一房持ち上げ、そこにも口づけを落とし、とろんと蕩けたような表情のAの耳に囁いた。
「____朝まで、寝かせねぇからな。」
覚悟しとけ。と。
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椛 - すみませんコメ欄でパスワードをご教示されないという所を読んでいなくて不躾な質問をしてしまいました。申し訳ございません (2022年3月28日 18時) (レス) id: 9bee9bd17c (このIDを非表示/違反報告)
椛 - 弱虫彼女の言行録【中原中也】のパスワードをお教えください! (2022年3月28日 17時) (レス) id: 9bee9bd17c (このIDを非表示/違反報告)
ミント - とても感動しました! (2020年8月17日 21時) (レス) id: ccb520a109 (このIDを非表示/違反報告)
ミント - とても感動しました! (2020年8月17日 21時) (レス) id: ccb520a109 (このIDを非表示/違反報告)
五月雨花火(プロフ) - あぁーもーこの作品す☆き☆これからも頑張って下さい!! (2018年8月19日 22時) (レス) id: c6a781ea39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あも | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/huzisaki5
作成日時:2018年5月22日 20時