【文スト】中原さんに貰われました。【中原中也】

花弁が十三枚 ページ14

あれから、早いもので二年が経った。
私達は、平穏な日々を過ごした。
光里も成長して、元気な子に育っている。

光里が、中也さんのことを『パパ』と呼んだときは迚も驚いたけど、考えてみれば、一歳の時から一緒に過ごしているのだから、父親だと認識してもおかしくない。

勿論、父親ではある。

私たちの関係はあまり変わらない。

それが、少し辛いのだけれど。

この二年間で、私は自分の気持ちに気づいた。
彼のことが好きなんだ、と。

だけど、それを伝えられない。
だって、私はお金で・・・・・。
きっと、同情だったのだ。
否定していけど、そうとしか考えられない。

彼は、私に何も求めないのだから。

─────いっそのこと、体だけでも良いのに。


・・・なんて、考えたりして。

「ママー？」

「ん？どうしたの？」

「見てー！」

「わぁ、上手に描けたね。」

一枚の絵。

「光里とね、ママとね、それから、パパ！」

「・・・・そっか。パパ、きっと喜ぶよ。」

「うん！」

中也さんは、すごく喜ぶだろう。
二年間、本当にこの子を愛してくれた。今だって、愛情を注いでくれてる。
感謝しても、しきれない。

だけど、彼は本当の父親のように思えて、辛くなる。
彼は、この子の父親であっても、私の夫というわけではない。

苦しい。

苦しい。苦しくて、どうしようもない。

いっそ打ち明けてしまおうか？

だけど、拒否されたら？
今の関係が壊れるのが、怖い。

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