【文スト】中原さんに貰われました。【中原中也】

花弁が十二枚 ページ13

「んぅ・・・ん？」

何だか良い匂いがして、目が覚めた。
はっと、起き上がる。

「お？起きたか。」

「・・・ちゅーやさん？」

まだ、完全に眠りから覚めてなかったようで、少し、呂律が怪しい。

「よく眠ってたな。飯、出来てるぞ。」

「えっ、」

中也さんの手には料理。
・・・作って、くれたんだ。

「ごめんなさい。私が作るべきだったのに・・・」

「別に、簡単なものしか作ってねぇし・・・。」

「ありがとうございます。」

ダイニングテーブルに座る。
光里は、ベッドで眠っていた。

「いただきます。」

「いただきます。」

料理を口にいれる。

「ん！美味しい！」

「そうか？そりゃ良かった。」

「凄いです。本当に美味しい！」

「大袈裟なやつ・・・」

本当に美味しい。
何だか・・・・負けた気分。

明日からは私か作ろう。

「光里の飯はどうすんだ？」

「光里・・・」

「あ、いや、その、矢っ張り、父親なんだからちゃんと名前で呼ばねぇとなって。」

駄目だったか？と中也さん。

私は、ブンブンと頸を降った。

「全然！嬉しいです！」


「そうか・・・良かった。」

そう呟いて笑う彼に私の胸はきゅうと締め付けられた。

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