3話 ページ6
「12月14日午前、追跡調査により近界民を発見。
交戦したところ黒トリガーの発動を確認。
その能力は『相手の攻撃を学習して自分のものにする』」
「………!」
「"玉狛"の、ねぇ……」
夏月の声のトーンが1つ下がった。
普段の笑みは崩さない。
然し、目から笑みが消えていた。
「その後、玉狛支部の迅隊員が戦闘に介入。
迅隊員とその近界民に面識があったため一時停戦。
その近界民は迅の手引きで玉狛支部に入隊した模様
____そして現在に至ります」
「近界民がボーダーに入隊!?なんだそりゃ!」
「うちの技術者は近界民だよ?」
「今回の問題はただの近界民ではなく、黒トリガー持ちだということだな。
玉狛に黒トリガーが2つとなればボーダー内のパワーバランスが逆転する」
「そうだ、だがそれは許されない。おまえたちにはなんとしてでも黒トリガーを確保してもらう」
「黒トリガーの行動パターンは?」
夏月はただ静かに話を聞く。
"預言者"が発動するのを待つように。
「1人になる時間帯とか決まってんの?
まさか玉狛の全員を相手するわけにはいかないだろ」
「現在もうちの米屋と古寺が監視しています。
[黒トリガー]は毎朝7時ごろ玉狛支部にやってきて、夜9時から11時の間に玉狛を出て自宅に戻るようです」
"黒トリガー"
その呼び方が夏月の癪に触る
まだ顔も知らない後輩だが、近界民と言うだけでこんな待遇を受ける理由はない。
「チャンスは毎日あるわけだねぇ、ならばしっかり作戦を練って……」
「いや」
太刀川が根付の話を遮る
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わんにゃん - (●︎´▽︎`●︎) (2022年5月2日 22時) (レス) @page1 id: a8a56b63b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:浮遊猫 | 作成日時:2022年5月2日 13時