1話:帰還 ページ4
某日。
太刀川隊、冬島隊、風間隊。
そして鈴暮隊が遠征より帰還した。
廊下に響く数人の足音。
周りに人がいないせいか、いつもより響く。
「お前らは本部所属じゃねぇし報告はいいんじゃねーの?」
「そう言う訳にはいかないよ」
「だろうな
本部所属ではなくてもボーダーに所属しているのだから、報告は怠るな」
「うへぇ〜隊長ってのは大変だなぁ〜」
上から順に太刀川慶、鈴暮夏月、風間蒼也、当真勇
最精鋭の隊員とは思えない様な会話を繰り広げている。
「でもまぁ、報告しなくていいならしないかなぁ」
「面倒臭いもんな」
「違うよ、課題とかやってたいんだよ」
「ウゲェ、流石はお嬢様だな」
「そう言うお前らは課題、終わってるのか?」
風間のその一言が静寂を呼んだ。
「終わってるよ?
だって遠征に持っていったもん」
静寂を破ったのは夏月だった。
その蜘蛛の糸に縋る様に太刀川と冬真が話を逸らす。
「そ、そーいやぁ鈴暮隊の隊長ってどーやって決めたんだ?」
「それは俺も気になるな」
「じゃんけん」
「は?」
「え?」
頭を抱えた風間は一拍おいて訊く
「なぜ、じゃんけんになったんだ?」
「誰も隊長をやりたくなかったから」
「それだけか?」
「あと、語呂の善し悪し」
「あー、海月隊は言いづらいな、」
「うめちゃんの苗字もだな」
(そんな雑に決めたのか、)
楽しげに会話を続ける3人を横目に、風間から溜め息が漏れた。
「あっ!思い出した!お前らの隊、何で別行動したんだ?」
「げっ」
「別行動?」
今度は夏月の表情が凍りつくと同時に風間が顔を顰めた。
理由は簡単
隊での単独行動がバレていた
(どうしよう……)
「はぁ、その話は報告会議の後だ」
こんな場面でもサイドエフェクトは機能する。
(セーフ…本当に私のサイドエフェクトは有能すぎるね)
「失礼します」
25人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わんにゃん - (●︎´▽︎`●︎) (2022年5月2日 22時) (レス) @page1 id: a8a56b63b8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:浮遊猫 | 作成日時:2022年5月2日 13時