18話 ページ21
「嵐山隊……なぜ玉狛と手を組んだ?
玉狛は近界民を使って何を考えている?」
「玉狛の狙いは正直よく分からない。迅に聞いてくれ」
「なんだと……!?」
「近界民をボーダーに入れるのは普通はありえない。
よっぽどの理由があるんだろう。
迅は意味の無いことはしない男だ」
「そんなあいまいな理由で近界民を庇うのか!?
近界民の排除がボーダーの責務だぞ!!」
「お前が近界民を憎む理由は知っている。
恨みを捨てろとか言う気は無い。
ただ、お前とは違うやり方で戦う人間もいるってことだ
……納得いかないなら迅に変わって俺たちが気の済むまで相手になるぞ」
戦闘前の会話だが、嵐山は普段と変わらずに話すせいか、三輪隊の前衛陣の2人は警戒を怠らない。
「………」
「戦るならさっさと始めようぜ」
「!」
「早くこっちを片付けて、太刀川さんに加勢しなきゃなんないからな」
(鈴暮隊が居ないとは限らないし…)
(出水先輩……攻撃態勢に入った!)
スコープから覗く出水公平の顔は細く微笑んでいた。
建造物が光ると同時に出水に向かい閃光が走る。
佐鳥賢の狙撃である。
佐鳥の放った閃光は出水に当たるはずだった。
「!?」
「……なんちゃって、佐鳥見っけ」
《ありゃりゃ、佐鳥釣られたね》
《言わないでくださいぃ〜》
「両攻撃と見せかけて両防御かよ!
相変わらずイヤらしいな、出水先輩は!」
「陽介、狙撃手を片付けろ」
「オッケー」
「木虎!」
「カバーに入ります」
木虎が飛んだ先には先に狙撃手を倒しに行ったはずの米屋陽介が武器の槍を構えていた。
佐鳥が狙撃地点に選んだ建造物に2人が勢いよくぶつかった拍子に窓硝子がわれ、室内に転がり込んだ。
「おいこら優等生、勝手に人んちに入っていいのか?」
「窓、わったのはそっちでしょ?」
木虎と米屋の戦闘が開始する
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わんにゃん - (●︎´▽︎`●︎) (2022年5月2日 22時) (レス) @page1 id: a8a56b63b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:浮遊猫 | 作成日時:2022年5月2日 13時