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＿＿＿＿＿こんな歪な関係を形作ることすらなかったのに。
「…好きって」
『ジョングクの事が、好きなの、っ…』
「…ヒョンは？」
『…別れた、。』
固まったまま動かなくなったジョングク。
すると暫くして緩やかに口角を上げたと思えば
A、と名前を呼んで嬉しそうに笑った。
「じゃあ。終わろっか、もう全部」
大きく一歩進んで私の前にすると、手首を引かれた。
よろけた身体はジョングクに受け止められる。
ぐらりと、全てが傾いていく。
「ちょっとだけ、俺の方がずるかったね」
背中に回っていた腕が緩み
その手がくい、と私の顎を押し上げた。
視界がジョングクだけになり唇が押し付けられる。
状況に追いつけてない頭。無意識に後退りしようとした身体は簡単にジョングクによってもう一度引き戻されてしまった。
「…やっと、俺のものになってくれた。」
…は、。予想していた言葉どころか理解できない言葉を返され、次は私が固まる番だった。
「好きだったよ、ずっと」
声がくぐもって聞こえた。
まるで水の中にいるみたいに。
私たち以外全て消えてしまったかのように、周りの音が聞こえなくなった。
それからぎゅ、と抱きしめられる。
『まって、何で、』
「何でもなにも。俺が好きになったのはこの世界でAだけだよ。」
『…、』
「本当にヒョンと幸せになってほしいって思ってたよ。俺は、こんな形でしかAの傍にいられなかったし」
「だけど、誰にも渡したくない」
.
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿
最初からこの人を離すつもりなんてどこにもなかった。いや、俺が離れられなかったのだ。
Aの傍に居られるための口実をつくって、俺から離れられないようにした。困って俺のことで頭の中いっぱいにしていればいいと。
好きな人にただ「好きだ」と伝えることさえできない臆病な俺は、この人の底のない優しさに甘えて大切な青春を壊した。
青春を奪ってでも、Aが欲しかった。
茹だるように暑苦しい夏も、この人と出会えたのがあのひと夏なら、どうしようもなく愛おしく思える。
「…で、さっきの本気で言ってる？
嘘とか言わないよね」
『…な、嘘なんかじゃ、っ』
「ふふ、そっか。
…じゃあ、」
名前のない関係はもう終わりにしよう。
「恋人、がいいな。最初の名前は」
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chi134340(プロフ) - 素敵なお話をありがとうございました。終わってしまって寂しい気持ちもあって複雑…。またてこさんのお話を楽しみにしています。 (2021年9月11日 12時) (
レス) id: fae26ba036 (このIDを非表示/違反報告)
JK1223(プロフ) - このお話大好きです…！更新されているとめちゃくちゃテンションが上がります！！下の方のようにテヒョンとうまくいって欲しいと思う反面…グクとグズグズになれーー！とも思ったり…（ ; ; ）これからも応援してます(*^_^*)頑張ってください！！！ (2021年8月31日 22時) (レス) id: f8bf9f9746 (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわ(プロフ) - どうかテヒョンを好きになってそのままでいてください！ (2021年8月23日 3時) (レス) id: a67dcb29eb (このIDを非表示/違反報告)
えま - もはや切ない。。とっても面白くてハマっています！これからも更新頑張ってください！ (2021年8月18日 10時) (レス) id: d6d16a0d4e (このIDを非表示/違反報告)
くま(プロフ) - すごくハマってしまい、Twitterで写真付きでみて、占つくで読み返して噛み締めるという事をしてます笑笑更新楽しみにしてます！ (2021年8月17日 15時) (レス) id: 8165b878e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てこ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/huumi0000/
作成日時：2021年8月10日 22時
