【JK】ひと夏の泡沫

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ジョングクとは週1、2回くらいで会っていた。

あの日、強引に抱かれた日を最後に
ジョングクは私を抱くことは無かった。





勿論させろと言われても絶対にさせないけれど、向こうから誘ってくる様子もなく

そんな雰囲気になっても手を出されることは一切なかった。







女の子、というか私が好きな仕草や表情、台詞。

べらべら鼻高く話せるほど恋愛上級者でもないのにそんな事を教えたりして、いつしか教えてない事まで私にしてくるようになって、こっちが弄ばれてしまってるくらいにジョングクは女の子を扱うのが上手になっていた。


私が教える全く同じこと、なんならそれ以上のことをしてくる。





私の頬に手を伸ばして「綺麗」と囁いてこつんと額がぶつかった。


耳を撫でられた後、後頭部に手が回ってきて
顔が近付く。お互いの息の音が聞こえるくらい近い。




あと数センチ近付けば触れてしまうところで口を抑えて遮ると、こうなると分かってる癖にむ、と嫌そうな顔をした。








「A、顔赤い」

『…ねえ、もう私いらないんじゃないの』





そういえば「いいや？」としらばくれるように首を傾げる。





『ほんと、手慣れてるね』

「何言ってんのヌナ、俺に教えてくれたのはヌナでしょ？」

「俺はAのものなんだよ」






好きな子とは、うまくいってるみたいだった。

会う度に「ちょっといい感じかも」と嬉しそうに報告してくる。






『よかったじゃん』

「うん。多分…うまくいくかも」

『…そっか』







ふふ、と少し照れくさそうに笑う表情は幸せそうで、まさに恋してる時の顔。





「ありがとう。全部Aのおかげ」

『…そ、よかった』

「もうすぐ、告白しようかなって。」






ジョングクと本当の他人になるまで、あと少し。

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