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『ねえ、何してるの！』
振りほどこうとするけれど、びくともしない。
前にある大きな背中を数回叩けば、眉をひそめたジョングクが「なにってば」と振り返った。
『何はこっちの台詞なんだけど』
「ねえ。もしかして俺が本当にAと関わり切ると思ってた？」
『思ってたっていうか、当たり前じゃん、』
「離れるなんて言ってないんだけど？」
強引に連れ出され、気付けば大学を出ていた。
駅の改札を抜ける。
帰宅ラッシュ前の若干人が増えてくる時間。
まさかと思い、ジョングクの手を引き足を止めた。
『ねえ、家は無理』
「なんで」
『本当に無理だから、！』
「…分かった」
てか言わなかったら本当に来るつもりだったの？
未だに離してくれない手にきゅ、と力が加わる。
何でこうなったの、、。
この前あんな事しておいて、また私の前に現れるなんてどういう神経してるんだか。
こっちからしてみれば意味不明でしかない。
ジョングクがここまでして私に執着しているのは何？
セ フレが欲しいなら他に相手見つければいいじゃん。
ジョングクの周りには私の代わりになる子がいくらでもいるんだから。
ジョングクが独占欲強いことは知ってるけれど、私にまでそういう事してくると…困る。
私を離さないで特別扱いして思わせぶりな態度ばっかりとって、私をジョングクから抜け出せないようにしてくる。
ずっとそうだった。
だからもう、振り回されないって決めていたのに。
…ていうか私にはテヒョンがいるから、もうジョングクを好きになったりしないけど。
『ほんと、何考えてるの』
「だって俺の好きな子の代わりになるって約束でしょ」
『、テヒョンがいるから無理だって』
「Aに彼氏がいても関係ないよ」
知ったこっちゃない、とでもいうように。
ジョングクの指先が私の髪をゆるりと撫でた。
いつもいつも私だけジョングクに振り回されてばっかり。
ジョングクのペースに乗せられて訳が分からないまま「ヌナは何も分からなくていいんだよ」とこれ以上の思考すら止められてしまう。
核心をつかないのが、私たちらしい。
「かわいいね、A」
私はジョングクの「友達」にも「彼女」にも「セ フレ」にもならせてもらえなかった。
名前がない方が楽だから。
いつ関係が切れても相手の頭の中に残ることは無い。後悔も心残りもなく、呆気なく消えてしまうのだ。
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chi134340(プロフ) - 素敵なお話をありがとうございました。終わってしまって寂しい気持ちもあって複雑…。またてこさんのお話を楽しみにしています。 (2021年9月11日 12時) (
レス) id: fae26ba036 (このIDを非表示/違反報告)
JK1223(プロフ) - このお話大好きです…！更新されているとめちゃくちゃテンションが上がります！！下の方のようにテヒョンとうまくいって欲しいと思う反面…グクとグズグズになれーー！とも思ったり…（ ; ; ）これからも応援してます(*^_^*)頑張ってください！！！ (2021年8月31日 22時) (レス) id: f8bf9f9746 (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわ(プロフ) - どうかテヒョンを好きになってそのままでいてください！ (2021年8月23日 3時) (レス) id: a67dcb29eb (このIDを非表示/違反報告)
えま - もはや切ない。。とっても面白くてハマっています！これからも更新頑張ってください！ (2021年8月18日 10時) (レス) id: d6d16a0d4e (このIDを非表示/違反報告)
くま(プロフ) - すごくハマってしまい、Twitterで写真付きでみて、占つくで読み返して噛み締めるという事をしてます笑笑更新楽しみにしてます！ (2021年8月17日 15時) (レス) id: 8165b878e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てこ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/huumi0000/
作成日時：2021年8月10日 22時
