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私たちの関係を表す言葉が見つからない。
友達の質問にえっと、と言い淀んでいると
遮るようにちょうどいいタイミングで授業が始まった。
ほっとした束の間、ジョングクは私に向けてにこりと口元を緩める。
逃げられないよ、って。
そう言われた訳じゃないけど、その何かを含んだような笑顔に何となくそんな意味を感じて、逃げるように視線をずらした。
こんな状況で授業に集中出来るはずもなく、常に視界に入ってるストレートで綺麗な黒髪に腹が立つ。
…あれで終わりじゃなかったの、私たち。
ジョングクの考えてることが全く分からない。
彼氏が出来たからもう会えないと、関係をやめようと言ったのに。
今までずっと人前で話す事なんてなかったのに。
…ほんとに、会いたくない。
ただ単にテヒョンと付き合ったから、だけじゃない。
このままズルズルとジョングクとの関わりを続けてしまえば何もかも悪い方向にいくことは分かりきっている。
自分がどうなるか分からなくて怖かった。
いや、もう分かっているのかもしれない。
分かった上で、そうなりたくないのだ。
授業が終わると荷物をまとめはじめたジョングクはすぐさま席を立ち、私の横に来ると「すみません、ちょっとAのこと借りてもいいですか」と友達に言った。
『は?』
「え?」
『え』
「なに?」
『なにじゃないって、』
いや、どういうこと?
とぼけているのか、わざとらしく首を傾げたジョングクは私の手を握った。
『待って、無理だよ』
「Aに聞いてない」
『はい?』
「あの、、ごめんなさい。良いですか?」
私の人権どこ?完全に無視きめられている。
有無を言わせないような可愛らしい表情を作り
大きくまるい瞳で、口元を緩めて微笑んだ。
誰が見てもかっこいい、そんな顔。
「今度詳しく話聞かせてよね、A」
少し顔を赤らめて惚惚としている友達。
ジョングクににこりと微笑みかけて、すんなり手放されてしまった。
…ちょっと待って、そういうことじゃない。
引き止めて欲しいんだけど、!
友達の返事を聞いて、満足そうにもう一度にこりと笑ったジョングクは
「行こ、A」
そう言って私の手を先程よりも幾分強い力で引っ張った。
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chi134340(プロフ) - 素敵なお話をありがとうございました。終わってしまって寂しい気持ちもあって複雑…。またてこさんのお話を楽しみにしています。 (2021年9月11日 12時) (レス) id: fae26ba036 (このIDを非表示/違反報告)
JK1223(プロフ) - このお話大好きです…!更新されているとめちゃくちゃテンションが上がります!!下の方のようにテヒョンとうまくいって欲しいと思う反面…グクとグズグズになれーー!とも思ったり…( ; ; )これからも応援してます(*^_^*)頑張ってください!!! (2021年8月31日 22時) (レス) id: f8bf9f9746 (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわ(プロフ) - どうかテヒョンを好きになってそのままでいてください! (2021年8月23日 3時) (レス) id: a67dcb29eb (このIDを非表示/違反報告)
えま - もはや切ない。。とっても面白くてハマっています!これからも更新頑張ってください! (2021年8月18日 10時) (レス) id: d6d16a0d4e (このIDを非表示/違反報告)
くま(プロフ) - すごくハマってしまい、Twitterで写真付きでみて、占つくで読み返して噛み締めるという事をしてます笑笑更新楽しみにしてます! (2021年8月17日 15時) (レス) id: 8165b878e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:てこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/huumi0000/
作成日時:2021年8月10日 22時