【神威】こんなにも、愛しているのに。

寝起きが悪い ページ22

「“核”は酢酸カーミン溶液と酢酸ダーリア溶液で…………



ってA以外聞いてねェじゃねえか」





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理科の時間




私のまわりの男は皆机に伏せて寝ている





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授業をする星海坊主先生は呆れた顔で


髪のないツルツルの頭を

くしゃくしゃと掻いていた





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「てかオイ、神威はどうした」





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『…かっ、神威君は屋上で昼寝してます…』







「…すまんが、呼びに来てくんねェか」






『っむ、無理ですよ！…殺されます！』





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頼む、と両手を合わせる先生





ぶんぶんと首を振って拒否するが

この空気は行くしかないようで。





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『……わ、私のお葬式…

開いてくださいね…』






「おう、分かった」





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…なんて軽いノリなんだ





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私が自分の息子に殺されようと

どうでもいいのか





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こうなったら

ムキになって死んでやろうと

若干涙目で屋上へ向かう





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神威君は昔からかなり寝起きが悪く

「次起こしに来たら殺すから」


と何年か前に脅された





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頼むから起きないでくれ

と心から願い






錆びの入った汚いドアノブを

キィ、と音を立てながら捻るのだった。

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