目深フードの下【呪術廻戦】

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時紗花家

一般人から突然変異した最初で最後の呪術師

明暦の大火でAが封印されたのでその名を受け継ぐ者も本もない

名を知っているのはAだけだった






｢君、歳は？｣

｢確か今年で17？｣

｢じゃあまだ1年生だね｣

｢？｣

｢高専に行くんだよ、今の常識とか学ばなくちゃだし｣

｢うぐ...｣






｢取り敢えず外に出よう｣

と階段を上がる

真っ暗な部屋、扉を開くと隙間から光が漏れ出す






｢ん、眩しい｣

｢久しぶりのお外、しかも400年ぐらいたっているというおまけ付きだよ｣

｢は？なに...これ...｣





目の前に広がるのは丘から見下ろした都会の街並み

木材で出来た家屋とは違い、真っ白く縦に長いビル

約400年前とは全く違う景色が広がっていた






｢ここは東京、まぁ江戸だね君からするなら｣

｢江、戸？｣

｢ここが......？？？｣






Aの脳裏に映ったものは火災で真っ赤になった江戸

黒い煙が巻き上がり黒い雲がかかっていた

戦いが終わる頃には焼けた跡が残った更地が広がっていた







｢君が救ったんだよ、この街を｣

｢忌み嫌った輩もいると思うけど、君はここに神様として祀られてた｣

｢ヒノカミとしてね｣







｢眠っていた間、闇の中にいたの｣

｢孤独だった、何年経っているのか...それとも数秒しか経っていないかもしれない、と不安だった｣

｢狂いそうだった｣

｢消えようと思った魂ごと｣

｢起こされるまで......それしか考えてなかった｣

｢馬鹿だな私｣









狂いそうだった私を叩き起してくれた

この人に...ここに眠らしてくれた人達に

せめて...せめてもの言葉を









｢ありがとう｣

｢......どーいたしまして｣







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