隣に二口がいるとあったかい【二口堅治】

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「お疲れ様でした」



調子は悪かったものの、伊達工が勝った。



「おう。応援サンキュな」



「……手、痛いの」



「もうそんなに痛くねーよ？」



赤くなった二口の手。試合中に相手のスパイクを変な受け方をしたらしい。



「伊月、高伸と先帰るね!今日はありがと。」



「彩美。またね」



「伊月、こっち向いて」



「やだ」



彩美が二口に言ってきたとか言ってたから二口は知ってると思うけど。



二口が怪我したって、手を押さえつけてコートにうずくまる二口を見たら心配で涙が出てきちゃったんだもん。



「隠さなくても知ってるぞー。泣いたんだろ？」



「うー、ほっといてよ……」



「なあー、俺大丈夫だよ？元気出せって」



「元気だし」



「嘘つきだなぁ……ほら。」



無理やり上を向かされて、怒られるかなって無駄に緊張しちゃってまた涙が溢れてきた。



「ちょ、泣くなよ…」



「ばか」



「ごめんごめん」



「なんか奢って。」



「は!?……奢りまよー。」



「二口、痛いときは痛いって言わなきゃダメなんだよ」



「だから、何にもしなければ痛くないって!強く押されたりしたら痛いけど……」



「はやく直してね。私も寝癖なおしたから!」

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