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六話 ページ9

平湯竣人
〜〜〜〜〜
合同練習。わざわざ清ヶ峰中へ出向いた。トランペットを三階にある音楽室まで運ぶ。
重い訳ではない。が、疲れる。理由は火を見るより明らかだ。
「先輩!」
そう、後ろから突然話しかけてきたこの宮川光輝こそが醜悪の根源。
醜悪の根源は言い過ぎだった。が、僕の疲労の原因が宮川にある事には変わりはない。
宮川は元気がいい。トランペットも上手い。その上成績もいい。
全く僕とは正反対の人間だ。
僕はどうせ目立つの苦手だし、トランペットなのに高音苦手だし、マシな所は低音だけだし。
嗚呼、自虐趣味はないけれど自分の何もかもに自信がない。
「落ち込んでないで、パート練張り切って行きましょうね!」
え、宮川が僕の事を励ました?宮川の顔を見ると、ニッと笑っていた。
「(というのは)ともかく、約一名別パートが(交じっている気がするが)……」
高野中の副部長様であるサックスパートの二年生茜咲果歩がチューナーを持ってきている。
そして、譜面台も宮川の横に立てている。
「果歩さんが私を練習に誘って下さったんですよ!」
さいですか。って、納得できない点がある。
「その前に(質問だ」。何故に(宮川が他人様に練習付き合って貰わなければならない)」
トランペットどころか金管ですらないパートの人間に練習を見てもらわないといけない程、
宮川は演奏技術がないわけではないだろう。
というか僕こそ宮川に教えてもらいたい事も多いんだが……。
「高音域が急に出て来なくなったんですよね……って先輩聞いてますか!?」
すまない。どうでもいい事で、思い悩んでしまった。
「だが、高音域ってそんなに出てなかったか?」
「聞いてませんでしたね!隣にいたのに!」
……自分のことで精いっぱいだった。
「木管の私でも、気が付いたのに……」
茜咲が呆れた顔でこちらを見ている。
「あと、もう一つ。何故に(場所変えようともせずに)パート練の場所で(やる。それもトランペットの)」
「だって、少しでも目を離したら先輩片手持ちで練習するじゃないですか、あれはただでさえ悪い姿勢がさらに悪くなりますのでやめましょう」
さいで。
嗚呼、僕の心に矢が何本も刺さった気がする。
……宮川もよくこんな皮肉を言ってくれるな。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
事後報告になりますが、茜咲果歩さんの事を平湯竣都は茜咲と呼んでいる事にします。
()内は宮川だけが解釈できる部分です

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爆音トランぺッター光輝(プロフ) - きしりとーるさん» わかりました (2017年8月19日 10時) (レス) id: ffe92a8306 (このIDを非表示/違反報告)
きしりとーる(プロフ) - すみません、もう一度パスを教えていただけないでしょうか。垢変をしたので関連付けで忘れちゃってて (2017年8月18日 12時) (レス) id: 6390505b8d (このIDを非表示/違反報告)
爆音トランぺッター光輝(プロフ) - 歌風@超中学生級の受験生wさん» 確認しました。ありがとうございます (2017年8月18日 9時) (レス) id: ffe92a8306 (このIDを非表示/違反報告)
歌風@超中学生級の受験生w(プロフ) - できました! http://uranai.nosv.org/u.php/novel/night017/ (2017年8月16日 17時) (レス) id: f4d0a3b368 (このIDを非表示/違反報告)
爆音トランぺッター光輝(プロフ) - 歌風@超中学生級の受験生wさん» 確認しました。キャラクター設定を作成をお願いします (2017年8月16日 15時) (レス) id: e87f22f114 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:光輝@心響トランペット命 x他1人 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2016年7月25日 13時

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