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事務所の中は忙しなく沢山の人々が早歩きで行き交っており、至る所で言葉が飛び交っている。
だが、どうしてだろうか。
この2人の空間だけは、ものすごく静かだった。まるで、静寂の中に2人だけのような。
悟「…なぁ、A」
『はい』
悟「…お前はさ、【呪い】ってどう思う?」
『……』
予想していなかったタイミングで、回答を慎重に考えなければいけない話題を持ち出された。彼女は、いかに自然に【一般人】としての答えを出せるか必死に脳みそを回転させた。
どう答えても、やはり話題が話題なだけに不自然になってしまうという結果に辿り着いてしまうようで彼女は少し焦りを見せる。
『…えーっと、呪いですか』
悟「そう、呪い。」
勝手に呪いについてベラベラ喋ってくれれば良いものの、まさかの彼女からの回答を待つ彼の予想だにしなかった行動に少しばかり冷や汗をかき始めた。
『……SFって言うんでしたっけ?あ、オカルトか。そういった類の話ですよね。お好きなんですか?』
悟「……別に好き嫌いって話じゃねぇんだ。お前はどう思うかが俺は知りたい。」
『……』
上手く話の軌道を逸らしたはずなのに、結局は回答を示さなければ終わらないのだと瞬時に悟り彼女の心情は猛烈に荒れ狂っていた。
だから、本音をぶつけることにした。
『おまじないに似てると思います。』
悟「…おまじない?」
『そう、おまじない。』
いつの間にか、悟はAの隣を歩幅を合わせるように歩いていた。それに気づかないくらい動揺していたAも、ただ横目で隣にいる事実のみを確認してまた前を向いて話し出す。
『何かを強く想って、何かにかけるじゃないですか。おまじないも呪いも。
それは人であれ、物であれ、ひとつの感情に支配されて、その感情に従ってかけてしまうんでしょ。ほら、そっくりじゃないですか。』
だから、私は自分に呪術が使えることが心から嬉しかった。
だから、私は呪術を使って人間を滅ぼしたい。
ひとつの感情に支配されて行動する、そんな人間が私は大嫌い。
勿論、私とて例外では無い。
だから、私は私利私欲のために呪術を使うんだ。
『この答えで満足いただけましたか?』
悟「…あー、これっていう回答を求めてたわけじゃねぇんだけど」
(だったら、答えさせんなよ)
悟「そうか、おまじないか…。」
そう呟いた彼が、何を考えてその表情を浮かべているのか…彼以外には知る由もなかった。
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エゴ信者。 - しゅーーさん» コメントありがとうございます。私もヴィラン系ヒロイン大好きなので、共感して頂けて嬉しい…!更新頑張ります、読んでくださり本当にありがとうございます。 (1月7日 18時) (レス) id: 665876339a (このIDを非表示/違反報告)
エゴ信者。 - B.E.E.L.E.さん» 再度コメントありがとうございます。見続けてくださる事実だけで感無量です。オリジナル編はご認識の通りクライマックスです、少し話の中身の肉付けを考えることに苦悩してますが第1幕、最後まで頑張っていきます! (1月7日 18時) (レス) id: 665876339a (このIDを非表示/違反報告)
しゅーー - 敵側系のヒロイン…マジでほんとに好きです!!!思わず読み込んでしまいました!笑 ここからの展開を楽しみにしてます!!これからも更新頑張ってください🫶 (1月7日 13時) (レス) @page37 id: 818f66b315 (このIDを非表示/違反報告)
B.E.E.L.E.(プロフ) - エゴ信者。さん» ご返信ありがとうございます!いよいよクライマックス展開ですかね?ダークヒロイン最高です、、パパ黒がどう重要なのか、、更新楽しみにしています! (1月7日 2時) (レス) id: cde15767ef (このIDを非表示/違反報告)
エゴ信者。 - B.E.E.L.E.さん» 返信遅くなりました。感想・評価等本当に励みになります。ありがとうございます。パパ黒ですね、この先の展開で大重要人物ですので引き続き見てくださると嬉しいです。頑張ります! (1月5日 8時) (レス) id: 665876339a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:エゴ信者。 | 作成日時:2024年1月3日 12時