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【痛い、切り刻まないで。】
肌に伝わる、刃物の冷たい感触。
【やめて、もう許して。】
頭皮に伝わる、乱雑に扱われる感覚。
【ごめんなさい、生きててごめんなさい。】
喉元に伝わる、殺意を向けられた感傷。
傑「っ_____」
それら全てが、彼の脳裏に【追体験】として流れ込む。
彼女の手から伝わったのは、残酷なまでの光景。
『…傑さん?』
傑「…ああ、すまない。少し、緊張してしまったようだ。乱暴に離してしまったね、怪我は無いかい?」
『はい。私は大丈夫ですけど、傑さんこそ大丈夫ですか?』
傑「…なにがだい?」
『…傑さん、凄い汗ですけど。』
心配そうに彼の顔を覗き込む、彼女の表情が【誰か】と重なって見えた。
【もう、殺してください。】
瞳の光を失った幼い彼女は、
ただ【自由】だけを求めていた。
この追体験は、まさに彼女自身の記憶。
それを理解した瞬間に、
彼の中の"確固たる信念"に小さなヒビが入り始めていることを当の本人ですら、未だ気づかない。
思わず、傑は彼女の肩を強く掴む。
傑「っ君は…一体!?」
『…どうしましたか?』
傑「…ぃや、すまない。それより、呪力については何か掴んだかな?」
『はい、何かこう…ここにあるーっていうふわっとした感じではありますけど。なんとなく、掴めました。』
傑「…………そうか。」
本当は、なんとなくというレベルでは無かった。
確実に、確信を得ている。
【呪力】という、存在そのものの輪郭を認識した。
(ありがとう、傑さん。)
今日の彼女は、過去の彼女とは違う。
呪力を深く理解することによって、独学同然・感覚的に術式を使用していた彼女にとってこれは"革命"にも等しい。
『この呪力が、私があなた達に護られている理由なんですよね。』
傑「そうだ。単刀直入に言うと、君の呪力は異質。そして、規格外なんだ。だから、私たちは君を護るためにここにいる。」
『……なるほど。』
傑「……君が、呪力の何たるかを少しでも理解してくれれば多少は長生き出来るだろう。」
『あはは、なにそれ。』
彼女は、冗談を笑い飛ばした後…突然、表情を無くす。
『大丈夫、もう誰にも奪わせませんから。』
ぞわり。
それは、大きすぎるプレッシャー。
はたまた、強すぎるほどの畏ろしさ。
あるいは、純粋なまでの殺意。
傑「……A、やはり…君は…」
『あー、なんか気分が上がってきたかもしれません!!
__傑さん、本当にありがとう。』
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エゴ信者。 - しゅーーさん» コメントありがとうございます。私もヴィラン系ヒロイン大好きなので、共感して頂けて嬉しい…!更新頑張ります、読んでくださり本当にありがとうございます。 (1月7日 18時) (レス) id: 665876339a (このIDを非表示/違反報告)
エゴ信者。 - B.E.E.L.E.さん» 再度コメントありがとうございます。見続けてくださる事実だけで感無量です。オリジナル編はご認識の通りクライマックスです、少し話の中身の肉付けを考えることに苦悩してますが第1幕、最後まで頑張っていきます! (1月7日 18時) (レス) id: 665876339a (このIDを非表示/違反報告)
しゅーー - 敵側系のヒロイン…マジでほんとに好きです!!!思わず読み込んでしまいました!笑 ここからの展開を楽しみにしてます!!これからも更新頑張ってください🫶 (1月7日 13時) (レス) @page37 id: 818f66b315 (このIDを非表示/違反報告)
B.E.E.L.E.(プロフ) - エゴ信者。さん» ご返信ありがとうございます!いよいよクライマックス展開ですかね?ダークヒロイン最高です、、パパ黒がどう重要なのか、、更新楽しみにしています! (1月7日 2時) (レス) id: cde15767ef (このIDを非表示/違反報告)
エゴ信者。 - B.E.E.L.E.さん» 返信遅くなりました。感想・評価等本当に励みになります。ありがとうございます。パパ黒ですね、この先の展開で大重要人物ですので引き続き見てくださると嬉しいです。頑張ります! (1月5日 8時) (レス) id: 665876339a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:エゴ信者。 | 作成日時:2024年1月3日 12時