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S「……えぇ、これがプレゼント？」
渡したのはいつもの原稿用紙。
S「いつも貰ってるじゃん！てか、結局返すじゃん！」
本当は用意してある。
いつもお世話になっている御礼も兼ねて。
でも、なんか出遅れた感じがして、なんか先生に気を遣わせてる気がして。
本当はもっと早く、サプライズ感出して渡すつもりだったのにこんな最後尾の方になってしまった。
中身も大した物じゃないし、渡しづらい。
S「ねぇ、本当に無いの？」
『うぐっ………』
思わず声が出た。
先生に確信を与える。
S「……出さなきゃ、漁るよ？」
ニヤリと不敵に上がる口角。
……これは、負けるしかないだろう。
『本当に大した物じゃないです。』
S「いいよ。ブラックサンダー渡してくる奴居たんだから。」
本当に貰ったんだアレ。
『はい。』
S「やった。開けていい？」
『ここでですか！？…いいですけど。』
ガサゴソガサゴソ…と。
あーあーすんごい雑に包みが開けられていく。
S「お？」
私が用意したプレゼントは筆箱。
ずっと使い古してる先生の筆箱見ているとお気に入りなんだな、って伝わってくるけどJK的に見てそろそろ…いや流石に新調した方がいいんじゃないかと思っていたので僭越ながら、新しいのを用意させていただいた。
S「いいじゃん！これ。結構入りそう。」
『喜んでいただけて光栄です。』
S「大切にするよ。」
そんなに大切にされる程の物でもないけど。
人が喜んでいる姿を見るのは嬉しい。
じゃあ、そんな気持ちを共有させてあげましょうか。
『じゃあ先生、私もプレゼント渡したんで私の誕生日にもプレゼント下さい。』
S「えっ、お前の誕生日？」
『そうですよ、入部届に確か生年月日書きましたよね？』
S「書いてあるけど、えーーやだよ。お前の誕生日卒業式の日だもん。」
『えー良いじゃないですか。プレゼントくらい。』
S「俺は生徒と違って忙しいんだよ。」
『えーけちぃ』
S「そもそも先生が生徒に誕生日プレゼントなんて見たことない。」
『えー』
S「えー」
11作目：「冬に咲いた櫻は蒼空を翔る」
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フレンチ糖スト(プロフ) - 翠霞さん» こちらこそ、初めまして。嬉しいコメントありがとうございます。実は私も翠霞さんのお話を読ませていただいていまして、凄くお話の作りが上手いなぁといつも尊敬しながらお話を楽しませていただいています。私も陰ながら応援しています。 (2021年1月18日 18時) (
レス) id: ff01346260 (このIDを非表示/違反報告)
翠霞(プロフ) - 初めまして。いつもひそかにお話を読ませていただいております。フレンチ糖ストさんのお話が好きです。これからも応援しています。 (2021年1月17日 22時) (レス) id: c90e2b0ac3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フレンチ糖スト | 作成日時：2020年5月30日 20時
