眠いったらない今日この頃。 ページ22
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何となく、予想はしてたんだ。
というか、予想してたから、侑に告らせた
と言っても過言ではない。
｢……治、大丈夫？｣
少し、いや、かなり沈んでいる治を、部活
終わりに発見した。
もう皆、下校し終えてる時間。
｢……雨宮｣
下駄箱でうずくまって、何も声を発して
いなかったのが、なんかやたら怖くて。
横からそっと、声をかける。
｢侑のことで落ち込んでんの？｣
｢……やっぱ、雨宮が裏で手を引いとったんか｣
少し不満げにこちらを見るから、ムカついて
口を尖らせる。
｢なんや、その言い方。私は、誰か1人を応援
してた訳じゃない。皆を応援してたんだよ。
だから、侑もその1人だっただけ｣
｢……ハルは、告白、OKするんかな｣
｢あのままだったら、ちょっと恋愛的な目で
見て終わりじゃない？侑はこれ以上行動する気
なさそうだし。
まあ、無理だろうね。
でも、ハルは確実に侑にドキドキしてたよ｣
私の考えを聞いて、治は、思い切りため息を
つく。
多分、ここまでわかりやすく凹まれたのは
初めてだ。
他の方々も、今はこうなってるんだろうか。
｢……あのねえ、ハル、前に私に向かって、
治のこと好きなん？って聞いてきたんやで｣
｢え、俺の事好きなん？｣
｢アホ。ハルはそれだけ、あんたのこと意識
してないって話や。
それでそこまでへこまれても、私はアドバイス
も何も出来ないよ。所詮、名前呼びくらいじゃ
ダメって事でしょ｣
｢せやかて、あいつを目の前にすると、もう
ダメや。心臓おかしゅうなる｣
｢じゃあ、諦める？｣
治の目の前に来て、目線を合わせる。
今、私はかなり真剣である。
私の真剣な目を見て、口を噤んだ治は、
目を逸らして、呟いた。
｢侑とくっ付いたんなら、諦めるしか、
ないやろ｣
嗚呼、期待はずれ。
この意気地無しめ。……まあ、私も一緒か。
｢私の目を見て｣
胸ぐらを掴んで、無理矢理にでも顔をこちらに
向けさせる。
｢そんな事で諦めるような軽い気持ちなら、
私はあんたを応援なんかしてないよ。
もう1回聞く。
ハルのこと、好きじゃなくなるの？｣
｢な訳、ないやろ！どんだけ、好いとると、
思うとるんや。
好きじゃなくなるなんて、無理や｣
その回答を聞いて、少しの安堵と、少しの
妬み。
ニンマリと笑って、治の襟を離した。
｢よう言うた。まあ、失恋は早い方がええで。
後になると辛くなるから。
ほんじゃ、また諦めたくなったら相談せえ｣
頭をかく君を置いて、下駄箱を出た。
見えない努力は大事って言うけど見えないなら努力する意味なくね？→←うじうじすんな、男らしくもない。
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夏 - 人間の感情が素晴らしく良く表現されている作品だと感じました。幸せになる人の裏に不幸になる人がいる世界を上手すぎるくらいに表現されていて、読んで感動しました🥹 (10月24日 18時) (
レス) @page50 id: f137f47347 (このIDを非表示/違反報告)
フェアリー(プロフ) - なんというか･･･切ないですね。夢小説なのに夢を感じさせないところが好きです。ハルちゃんが誰かに愛されている裏で、雨宮ちゃんの心が抉られているって考えると居た堪れないっすねなんか (2023年3月23日 17時) (レス) @page50 id: ebc545326a (このIDを非表示/違反報告)
黒弧(プロフ) - バカ笑いと、何とかってやつで言いたいことがある。。北さんイケメン！？で、私はこうゆう女の子の逆ハーが雨宮(？)目線で見てまうからいっつも男主 (2022年9月29日 7時) (レス) @page32 id: 4b13e88e37 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらゆな(プロフ) - 今まで愛され夢小説を見てきて私も作者さんと同様友達はどんなふうに思っているのか、不憫だなと現実にいたら私もきついかもです笑笑この小説を読んでいかに愛され小説が自分達だけの世界だったのかと思い知らされます、続きも全部読みました、とても感動しました！ (2022年5月26日 21時) (レス) id: 047d519d35 (このIDを非表示/違反報告)
まくら - なんやろなぁ、小説特有の甘い感じじゃなくてちゃんと現実でのドロドロした、めんどくさい恋愛が書かれててほんまに凄いと思いました。続き、今から読ませていただきます。 (2022年4月27日 23時) (レス) @page50 id: c8a7cb4466 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お水。
| 作成日時：2019年1月1日 0時
