潜入01 ページ17
ん、もうこんな時間か。
ふと、訓練所の大きな窓を見ると、先程まで、真っ暗だった空が段々と赤みを帯びてきていた。
ゾムさんとの手合わせ後、鈍った体に少しでも感覚を思い出させるために夢中で鍛錬してしまった。
…とりあえず汗流そ。
自室に戻ろうと思い立った瞬間、重大なことに気がつく。
『私の部屋、どこだっけ。』
しまった。
自分が方向音痴なのをすっかり忘れていた。
ゾムさんとロボロさんには迷惑をかけないよう、一人で訓練させてもらっていたから聞ける人はもちろんいない。
とりあえず行き当たりばったりでもいいから進もう。
睡眠時間を削ったせいで、折角受けた任務をダメにはしたくない。
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『こ、ここどこ…？』
いやもうこの建物、ほんっとに広すぎる！！
歩いても歩いても一向に辿り着く気配がない。
どうしよう、もしかして本格的に迷子なんじゃ、
ut「君、こんなとこで何しとんの？」
『え！？え、えっと…み、道に迷ってしまって…！』
T字路の廊下ど真ん中でうずくまっていると、優しそうなメガネの男性に声をかけられた。
ut「いやここ普通に道歩いてて迷い込むとこちゃうやろ〜！てかこんなかわええ子うちの国におったかなぁ？」
じっとりと、顎に手を当てながら見つめられる。
よれたスーツから香る匂いは、色々な香水が混ざったような匂いがして、自然と表情が歪む。
『あ、あの、決して悪い者では「ここにおったか！探したでA！」…！ゾムさん！』
居た堪れない空気にどう切り返そうか悩んでいると、私を探していたらしいゾムさんが男性が来た方と反対から走ってきた。
囚われてた時といい、どこまでも救世主だなこの人は。
ut「A…？
あー！この子が吸血鬼の！はぇー、ほんま3人が言うてた通りのべっぴんさんやなぁ。」
べ、、べっぴん？！何の間違えだろうか。
兎に角、不審者と間違えられなくて良かった…
ut「せや自己紹介まだやったな。僕はここの軍の中衛任されとる鬱言います〜。よう皆からは大先生とも呼ばれとるけど、まぁ自由に呼んでや〜。」
『大先生…、分かりました、宜しくお願いします。』
改めてこちらも自己紹介をすると、へらっと笑いながら、何故か頭を撫でられた。
ゾムさんにもよく撫でられるけど、皆さん癖なのかな？
手を振り払う訳にも行かず彼を眺めていれば、グイっと後ろに腕を引かれる。
zm「勝手に撫でるん禁止やで、大先生。」
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フラスコ(プロフ) - onigiri710さん» コメントありがとうございます！小説は妄想の具現化なだけなので文才皆無で…。絵はすごく時間かけたので褒めて頂けて嬉しいです\‖(^○^)‖/ハイジャンプ (2020年7月3日 6時) (
レス) id: 3b8f60e517 (このIDを非表示/違反報告)
onigiri710(プロフ) - 小説かけるだけでもすごいのにプラスイラストまで描けるだと‥‥僕の精神がおいやられていくぅぅぅ(本音、神小説に神絵を見させていただきありがとうございます(スライディング土下座)) (2020年7月2日 22時) (レス) id: da17dc294d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フラスコ | 作成日時：2019年6月18日 0時
