保護者の睡魔23 ページ46
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「「…………」」
シーン、と静まり返った空間。
黙々とシチューを頬張っていた骸は
無心で虚空を見据える琥珀を見る。
「…夜城くん」
「………何？」
「…悪くないですよ、コレ」
嘘だ。
本当は今まで食べたどの料理よりも美味しい。
シチュー自体も勿論絶品なのだが、
それよりも、琥珀が傍にいるというこの空間が。
例えようのない安心感が、そう思わせる。
「………そう」
「夜城くんって料理できたんですか。
面倒とか言って出前とるものだと思ってました」
「…失礼だね、君」
雲雀が“ハク姉”と呼んでいたところから
かなり信頼してるものだとは思っていたが…
血族、もしくは単に親しい間柄だろうか。
…恋人同士、とか。
もしそうだとしたら、何となく、嫌だ。
「僕、チョコレートが好きなんですよね。
あの上品な甘さが美味です」
「……そうなの」
「はい。あ、今度何か作ってくださいよ。
チョコレートを熟知した僕が審査してあげます」
「…考えとく」
饒舌に話してみるものの、会話が続かない。
琥珀は虚空を見据えたままこちらを見向きもしない。
それが、どうしようもなく虚しくて。
少しでも良いからこちらを見てほしくて。
「そういえば…夜城くん、本当に女だったんですね。
僕には男にしか見えないのですが」
「…夜城“くん”、だもんね」
骸は琥珀のことを夜城くん、と呼ぶ。
男だと思ってたときも、女だと知ってからも。
これは別に皮肉を込めてるわけではなく、
ただ単に、何となく、どうしてか。
琥珀、と名前で呼ぶのが妙に恥ずかしくて。
「もう少し女らしくしたらどうですか？
そんなではいつまでたっても恋人ができませんよ」
「……別に、いらない」
恋人、と自分で言ったのに傷付いて。
琥珀のいらない、という言葉で安心して。
自分が何をしたいのか分からない。
…否、薄々分かっているけれど、認めたくない。
悶々と考え込んでいると、
ガタ、と琥珀が立ち上がった。
「……僕、部屋に戻って…仕事してるから…
…食べ終わった食器、流しに入れといて…」
「…分かりました」
琥珀が部屋から出ていったあと。
再び静寂に包まれた部屋で、一人、後悔する。
…琥珀を怒らせてしまっただろうか。
…あんなこと、言わなければよかった。
(どうしてこんなにも気になるのか)
(少し考えれば分かること)
(心の奥底では気付いているけれど)
(…僕はまだ、認められない)
Continue…
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紫亜(プロフ) - 格幻さん» 今回こそできました (2014年12月20日 19時) (
レス) id: c9b8a5d62f (このIDを非表示/違反報告)
紫亜(プロフ) - 格幻さん» リクエストありがとうございます！描き終わりました！！ (2014年12月16日 22時) (レス) id: c9b8a5d62f (このIDを非表示/違反報告)
星屑(プロフ) - 格幻さん» そう言って貰えると嬉しいです＾＾あ、黒猫さんのCOMMUページで話していたので、そちらの方で話し合いましょう＾＾ (2014年12月15日 23時) (レス) id: e1ebefcbbf (このIDを非表示/違反報告)
格幻 - 星屑さん» okです！ネタ提供とかありがたい(( (2014年12月15日 21時) (レス) id: d787b599d2 (このIDを非表示/違反報告)
星屑(プロフ) - 黒猫さん» じゃあ移動しますね＾＾ (2014年12月15日 21時) (レス) id: f6815e87f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：爽やか格闘家と強欲幻術師＆黒猫
| 作者ホームページ：
作成日時：2014年10月5日 13時
