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1人じゃどうする事も出来ないこの状況に若干の焦りを感じつつモゾモゾと体を動かしていると1人の足音が聞こえてきた。
「狼！」
『ケイン！すまんがこのナイフ引っこ抜いてロープ切ってくんねえか』
「ナイフなら持ってる、出血が酷くなるからそれは刺しっぱにしておけ」
俺の後ろに回ったケインは持っていたナイフでガチガチに縛られていたロープを切ってくれた。自由になった腕を少し動かし左腕もしっかり動く事を確認した。
「酷いな…取り敢えずシン達と合流しよう」
『シン？何故シンがいる？？…まさか英二もいないだろうな？』
「…」
『…はあ、いるんだな』
ジェシカもいる、と全くいらぬ情報を貰い更に頭を抱えながらゆっくりと歩いた。遠くからケイン！いたら返事をしろ！と叫び声が聞こえケイン無事だから先に行っててくれ！と叫び返した。
「さ、俺達も早くここから出よう。いつあいつらが戻ってくるか分からないからな」
『…マックスらはどうなった？』
「…連れていかれたよ」
足音と荒い息遣いが聞こえる場所についた時ばっとシンが振り返った。ケインを、それから俺を見て驚いた様な顔をする。
「あんた、それ…！」
「わっ！手当てしないと！！」
「…！！」
ナイフを掴みぐっと力を入れ勢いよく引っこ抜いた。血はぴゅ、と小さく吹き出したあととくとくと腕を流れていく。肩から腕までシャツを切り裂き英二がそれで丁寧に巻いてくれた。
「ごめん、首は今は手当て出来ないや…肩も巻いただけだからあまり動かさない方がいいよ」
『さんきゅ、英二』
「どうした、アッシュ酷くやられたのか？」
俺がはっと顔を上げると丁度アッシュが肩に触れたケインの手を振り払った所だった。
「…す、すまないケイン…対したことはない」
その体はガタガタと震えている。
俺はゆっくりと立ち上がった。
「大丈夫だ…少し休めばなおる」
そう言って壁に寄りかかり木箱の上に座ったアッシュに歩み寄る。震えながらゆっくりと顔を上げたアッシュは俺の顔を見てそれから視線をゆっくり下にずらし首もと、それから横にいき肩を見た。そして苦しそうな、泣きそうな顔をして再び俺を見た。
俺はゆっくりと、包み込む様にアッシュを抱き締めた。撫でもせず、ただ抱き締める。すると次第に震えは収まり強ばっていた体からもゆっくりと力が抜けた。
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ゆうな(プロフ) - 葵さん» わ〜ほんとですか！？嬉しいです！！そうなんですよ〜！色々突っ込んでたら５作品目になってしまいました笑ありがとうございます！頑張りますね！ (2019年1月4日 18時) (
レス) id: b1153871a1 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 全シリーズ読ませてもらってます！もう5作品目ですね！！いつも楽しみに読んです！これからも応援してます！頑張ってください！ (2019年1月4日 15時) (レス) id: 0416d8cced (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうな | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org
作成日時：2018年12月31日 22時
