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それから暫くアッシュと談笑していると3時間程経っていた。そろそろ寒くなってきたので用意していた毛布を肩に掛けた。少し冷たくなったアッシュの左手が俺の右手に触れた。俺はそっとその手を握る。リングが鈍く光った。
『少しは気抜いたらどうだ？』
「Aが抜きすぎなんだ」
『そうかね、俺緊張で張り詰めた空間は苦手なんだ』
じとりと睨んでくる彼を見て少しは緊張もほどけただろうかと思案する。こっちの思惑に未だ気付いてないフォックスが出し抜かれたと気が付いた時の顔を見てみたいもんだぜ。きっと相当な間抜け面なんだろうな。
「うう…さっび〜〜」
「腹減ったなあ…」
あれから2時間、合計で10時間経とうとしていた頃アレックスとコングがちらと弱音を吐いた。
「…もうみんな限界だぞ」
「…分かってる」
「訓練された兵士でもこの状況は堪える。忌々しいがうまい作戦だ」
「…じき奴も気付く。俺達が何故不利を承知でここにじっとしているか」
その後は誰も喋らなかった。アッシュのその言葉から５分後、俺がふと顔を上げた瞬間にそれは訪れた。いきなり奴らが銃撃戦を仕掛けて来たのだ。みんな飛び起きて直ぐ様臨戦態勢をとる。
「ちっおいでなすったぜ！今までの黙りが嘘みたいだぜ」
「こっちの思惑に気付いたのさ」
「何だって！？それじゃ追っ手が！！」
「いや…それはない」
俺はすぐ飛び出せる様に入り口の横に張り付いて銃を構えた。入り口からは何発か流れ弾が侵入してきている。少しだけ顔を覗かせ威嚇射撃をしてまた引っ込んだ。
「危ない」
『知ってる』
顔も見ずにそう言うと足を踏まれた。振り返ると真剣な表情だがどこか悲しさを称えている顔をしていて、いつの間に感情表現がこんなにも下手になってしまったのかと少し驚いた。
『大丈夫、大丈夫』
「…」
頭を抱き寄せその額にキスをした。そしてしっかりと目を合わせた。
『魔法は存在する』
「…ああ」
今はこの言葉がアッシュを生かす命綱になれば良い。彼には綺麗な心は存在する、俺が証明してみせようじゃないか。
「ここはやばいぞ奴らもうすぐそこまで来てる！」
「壁伝いに後ろのビルへ抜けるんだ！横からの襲撃に注意しろ！」
最後に頷きあって別れた。俺はマックスと同じ方向へ走って行った。
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ゆうな(プロフ) - 葵さん» わ〜ほんとですか！？嬉しいです！！そうなんですよ〜！色々突っ込んでたら５作品目になってしまいました笑ありがとうございます！頑張りますね！ (2019年1月4日 18時) (
レス) id: b1153871a1 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 全シリーズ読ませてもらってます！もう5作品目ですね！！いつも楽しみに読んです！これからも応援してます！頑張ってください！ (2019年1月4日 15時) (レス) id: 0416d8cced (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうな | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org
作成日時：2018年12月31日 22時
