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私は逃げる ページ4
『でも、別に、孤独なんて無理に自覚しない方がいいよ』
「？」
『心が、苦しくなるから』
「…」
そう言って立ち上がり寮に帰ろうとしたその瞬間、レギュラス君に腕を掴まれていた。
「……待って」
どこか揺らぐその目はしっかりと私を射止めていた。レギュラス君は俯いた。私は黙って隣に座り直した。
「…貴方は、孤独なんですか？」
『私は………………孤独だよ』
レギュラス君はじっと私を見つめた。冬の乾いた冷たい空気と静寂が私達を包む。とても、とても不思議な沈黙であった。
『でも、孤独は時に……楽だよ』
「え……？」
『どうしようもなく、一人になりたくてしょうがない時、誰にも邪魔されたくない時、孤独は楽だ』
今度こそ、寮に帰った。私は寒いのが苦手だ。冷え性が、悪化しちゃうから。寒い日はちょっとでも外に出るとすぐに感覚がなくなる。
『あんな事言っちゃったけど…』
どう思い、どう捉えるかなんてレギュラス君の勝手だよ。
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作者名：ゆうな | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org
作成日時：2017年8月14日 22時
