獅子の心臓は孤独だった (ページ2)

今日:4 hit、昨日:5 hit、合計:13,033 hit

私は笑うページ2

『私、君みたいな孤独は初めてだ』

「えっ…？」

ポカンと小さく口を開けて驚く彼に私はわははと笑いかけた。大きくてくりっくりな目、綺麗な黒髪。彼はかの有名なブラック家の次男坊であった。

『初めまして。私A・ラビスタ。宜しくねレギュラス君』

「えっ、あ、はい。宜しく…」

明らかに動揺している彼はいつものちょっと猫かぶりな感じが完全に消えてて中々に面白い。きっと仲良い人にしか見せない素何だろうなと勝手に自己解釈。一人で納得していると横から声が降ってきた。

「…その、僕みたいな孤独は初めてだ、とはどういう意味で？」

『うーん、そのまんま何だけどな…なんて言うか、レギュラス君は孤独って言葉は比喩にしかならないと言うか…』

「はあ…？」

訳がわからない、と言うふうに眉間に皺を寄せるレギュラス君。自覚がないかもしれないが彼は孤独だ。誰よりも孤独に敏感な私が言うのだから間違いはないだろう。今まで色んな人の孤独と付き合って来たがレギュラス君みたいなのは初めてだ。

『いきなりこんな事言われても分けわかんないか…ま、私はいつもここに居るし孤独感じたらまた来てみてね』

「え、ちょっと……！」

ヒラヒラと手を振りながらその場を去った。

とある冬の日の朝の事だった。