マーダーライセンス 〔 Ｈ×Ｈ 〕

生命活動認識装置 ページ14

子供の頃から星の観測をする夜型Aがすやすや眠っている。


Aがシャワーを浴びに行った時、酒に睡眠薬を混入しておいたのだ。

だが時折胸に手を当て眉間を寄せ痛みがあるのか穏やかとは言えない寝顔。

体に元々なかったものを小さな重要器官に埋め込まれリスクが無い訳はない。



「死ぬのはご免なんだろ…除去手術…ちゃんとやれよ」



Aの心臓部に手を当て

少しだけでも痛みが緩和されればとクロロは祈る。


さて…とクロロはやるべき事を実行する為にベッドを抜け出す。

脱ぎ散らかした服からスマホを取り出しシャルナークに連絡だ。



Prrrr...Prrr...Ｐi！



「シャル、遅くにすまない」


「あれ？ 団長今日はAちゃんと会ってるんじゃないの？」


「今も一緒だが…大至急調べて貰いたい事があってな」


「オッケー。 何を調べる？」


「ヨークシンで高値で売られる受信機の売買リストを洗い出してくれ」


「受信機…？ そんなモノ高値で売れるの？」



シャルナークの疑問は当然だ。



「A、そして一般市民の体内に埋め込まれた爆弾、生命活動認識装置を感知するものだ」


「まさか…Aちゃんにそんなモノが入れられたの？」


「ああ」


「何で？ あの子がそんなモノ簡単に埋め込まれる訳ないよ！」


「Aの次の任務上する必要があったらしい、出来そうか？」



少々の沈黙。

だがシャルナークは「やってみるよ」と言ってくれた。



「装置の形状も反応する範囲も不明だ」


「他に手掛かりは？」


「Aのモノに関しては間違いなく闇の組織に回るだろうという事だけだ」


「じゃあそっちの線からしらみ潰しでやってみるよ」


「頼む」



シャルナークもAに勝ちたいのだ。

そして可能ならばその技術も盗みたい。



「目星がつくまで他の団員には黙っていてくれ」


「何でさ、生産されている数が多いかもしれないから皆の協力を得た方が良くない？」


「目立って敵に俺達と接点があると勘付かれたらAの今後の任務に支障をきたす」


「そうだね。 でも団長よく気がついたね？」


「Aからの申し出だ。 今迄Aからこんな事が無かったからな…聞き逃すところだった」





シャルナークが息を止めたのはスマホ越しでも分かった。

今迄誰にも協力を求めず任務をこなしてきた “ 影 ” 。

ハンター協会がひた隠しにする最後の極秘強行実動員。



マーダーライセンスは

Aをも殺すライセンスだ…。


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万が一の生存確率→←影の影になろう…

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