マーダーライセンス 〔 Ｈ×Ｈ 〕

ハンターの裏の顔 ページ2

バーで何杯もカクテルをお替りするA。

度数の強い酒に酔った様子は一切ない。



「今日はやたら飲むな」


『…だってさー…私っていつも一人じゃない？ 誰かと居る時くらいは羽目外したいの』



ハンター協会所属ハンターとはいえAは正式なプロハンターではない。

ハンターサイトの名簿にもAの名前はない。
“ マーダーライセンス ” (殺人と破壊の許可証) のせいだ。



『会長の意向も分かるよ？ でも歳だ歳だ騒ぐわりに念も体術もまだ超現役じゃない』

「だからこそ “ マーダーライセンス ” (殺人と破壊の許可証) をAに与えた。

Aが暴走した時に奴がA始末出来る算段があるんだろう、どっちも命懸けだな」


『…まあ、暮らしに不自由しないから持っておこうかな』


「影の集団と同じく始末されない様に振舞う事だな」



チェリーで遊んでいるAの手を握るクロロ。



「部屋で飲み直そう」


『ここでいい』



一流富豪層の会員制のバー。

高層ビルから下を見れば宝石が散りばめられたネオン。


職務とは真逆の綺麗な景色。

任務で汚れ黒ずんだ人生をちょっと忘れさせてくれる。



「酒も揃えた、この２１Ｆ上のフロアなんだが…」


『行く！』



今よりもう少しだけ高いフロア

それだけで理由は充分だった。


しかも服の汚れを気にせずお酒を飲める

ならそっちの方が断然良いに決まってる。


少しでも空へ…

星の瞬く宇宙へ近づけるだけでAの気分は上がる。





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