呪いの恋歌 〔 Ｈ×Ｈ 〕

イルミノ ホンネ ページ22

ククルーマウンテンがゾルディックの家、観光地にもなっている。

それが見え始めるとイルミは思い出した様にヒソカの方を向く。



「俺達は別行動。 彼女の位置や状況はこっちから連絡する」


「助かるよ」


「で、家さ、試しの門ってのがあってそれを開けて家に入らないと番犬が侵入者を噛み殺す」


「犬にまでそんな躾してるなんて…クックックッ…君も大変だねぇ」


「侵入しようとする奴が多くてね、執事達が出る程でもないからそうしてるだけ」



ゾルディックの私邸は教育施設があり、一人前の執事になるまで訓練をこなす。



「あとは適当に入ってきて。 ヒソカが来るのは昨日の俺の意見で皆知ってるし」


「適当って…山１つ歩き回らせる気かぃ？」


「ヒソカそういうの得意だろ、じゃ、そういう事で」



いきなりハッチを開きヒソカを蹴落とすイルミ。

上空12,000ｍから放り出されるヒソカだがニコニコとイルミに手を振っていてイルミは呆れる。



「…何でヒソカと関わっちゃったんだろ、俺」





Aだ。

暗殺依頼をこなしに行った時、扉一枚隔てた所にAは待機していた。

ターゲットは既に息絶えたが少しの物音を聞き部屋に入って来ようとしていたA。


扉を開けたら殺すつもりでいたイルミ。

だが背後に気配を感じて見ればヒソカが居た。


この時がヒソカとの初対面だったが目撃者は殺す。

イルミはAより確実に現場を見たヒソカを追いかけAは命拾いした。





「あーあ…俺もあの時は未熟だったよなー、１９歳で初ミスがヒソカとかツイてない」



イルミはボヤくが、ヒソカは常にAを見ていたのだ。

勘と情報を頼りにAの周りで何か起きそうな時は必ず居た。

そして何度か軽く交戦した後、気に食わないが「使える」と判断しヒソカへの攻撃は止めた。



「さて…執事より先に着陸して彼女は俺が預かるか…」



実はイルミは今回の件を面倒臭いと思ってなかった。

イルミはもうAに興味を持っていたからだ。

ヒソカに「気がのらない」と言った嘘は、ヒソカの役に立たない情報で勝手にチャラにした。


飛行船を私有地内空港に着陸させAの大好物というレアチーズケーキを持って外に出る。

執事の飛行船が到着するのを見て少々浮かれるイルミ。



「テープじゃ俺の念は１００％通用しない、悪いねヒソカ…」





イルミは一番念を入れた針を手にする。


針人間(廃人)にしない様に

一晩かけて作った特別な針を。


.

キオクノ ソウサ→←タヨレル カセイ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す