呪いの恋歌 〔 Ｈ×Ｈ 〕

ワカチアウ コト ページ43

ヒソカのバンジーガムでカルトの横にやって来れた。

Aは「事の始まりの場所」に連れていって、と言った。


ヒソカと目を合わせる事は不可能なのに、ヒソカは嫌な顔をせず快諾した。

確かな記憶は何もない筈なのにヒソカの力を必要とし、信頼しきっていた。



『ミケちゃんは…番犬だから近寄っちゃ駄目だから…次は…』


「A姉様、僕が家族に知らせますから病室に戻って下さい」


『お願い…カルトちゃん…もう少しだけ…』



そう言うと昨夜と同じ様にシルバとゼノが姿を現した。

順序的にイルミに合うつもりだったが、この家の長達。



『昨夜はご迷惑をお掛けしました…申し訳ありません…』



腹の傷をさり気なく庇い二人に頭を下げるA。



「いいんじゃよ。 我々が謝らにゃならん事の方が多い位じゃ」


『…ゼノさん…』


「辛い目に遭わせて済まん。 俺とオヤジは…Aを理解してやれないかも知れない。

だが我々は敵になる事も、Aの暗殺以来が来ようともゾルディックは全て断る。

これで許して貰えるか？」


『…ありがとう…ございます…』



体力が底を尽いてきたAだが、感謝の気持ちを精一杯伝える。



「傷が開く、動くな」



厳しい言葉とは裏腹にAを心配するシルバ。

その言葉に甘え、少しでも楽な姿勢で体力を温存するA。



『あの、イルミはどこに…？』



ゼノ、シルバ、カルトが顔を向けた木の影に姿を隠していたイルミ。

諦めてAの前に姿を見せるとカルトと同じく抗えない感情の波が押し寄せる。

そんなイルミを察してか三人は黙って屋敷へ戻る。



「心拍も呼吸も止まったらしいね」


『うわ…そうなんですか』


「あの世って見えたりした？」


『…ﾌﾟｯ…いたた…』



イルミが非現実的な事を聞いてくるのでAは笑ってしまった。

体中が痛むが笑い終えてイルミの方へ顔を向けるとそこにイルミは居なかった。

もう傍に来ていてAの背後に座り、足と足の間にAを入れイルミが背もたれになる。



「こうしてた方が楽だろ」


『あ…イルミ…ありがとう』



自力で座るのも辛かったAはイルミの優しさに感謝し、力を抜き背をイルミの胸に預ける。



「あの世…かは分からないけれど…何もない空間で…ひとりで…寂しかった…」





夢で見た空間

Aが居た最初の場所なんだろうなとイルミは思う



五大災厄を飼い慣らす

希望のシェイプシフター “ イシュペラ ” の居場所


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