11：行くあて〜夢主SIDE〜 ページ13
「ッ！」
何かに呼ばれたように反射的に体を起こす。
嫌にべったりとした汗が頬を伝う。
乱れる呼吸、バクバクと大きな音を立てる心臓。
……なんて、夢をみたんだ。
「はぁ…」
一旦落ち着こうとため息を漏らす。
……久しぶりに見たな、この夢。
窓から夜景を眺め、右目を擦った。
窓にうっすらと映る自分の顔。
冷や汗をかいていて、血色も悪い。
何より、暗い灰色の瞳がぼく自身を見つめていた。
……うん、落ち着いてきた。
カラカラに乾いたのどを潤わそうと、ペットボトルに入った水を飲む。
一息ついた後に、今度は左の青い瞳で自身を見つめた。
大丈夫、大丈夫、ちゃんと、ちゃんとしてる。
「……」
窓に向かって、わざとらしく笑顔を作る。
口角は上がるものの、目はパッとしない。
……この夢を見たら、毎回こうなんだけどね。
………前に、暗い過去や後ろめたい過去はない、と言ったと思う。
実際この夢は、それに当てはまらないと思うし、いつまでも気にすることじゃない。
けど、たまに、この夢を見てしまうのだ。
昔…そうだな、５歳くらいだろうか
イルミさんとゾルディック家の敷地内で遊んでいた時、ぼくが前を見ていなくて崖から落ちたことがある。
イルミさんはすぐにぼくを救出して病院へ連れて行ってくれた。
その時の医師の診断は“即死”だったそうだが…
「…」
今はこうして生きているわけで。
きっと蘇生術が効いたんだよ。
キルアがそう言った時、みなは納得したようにぼくを見た。
……けど
「本当に、そうなのかな…」
どうも引っ掛かる。
その日を境に、ぼくの“何か”が変わった。
具体的には分からないけど、確かに“何か”が変わったんだ。
それに、不思議なこともある。
その事故以前の出来事を思い出せないことだ。
頭を強く打った衝撃で記憶が混乱しているのだろうとシルバさんに言われたが、違う気がする。
……ぼくの身に、一体何が起こっているんだ。
そのことを知りたい。
本には載っていないこと、ネットだけじゃ分からないこと、すべて知りたいんだ。
だから、ぼくは“ヒソカ”という人物の元に向かう。
色々な情報を持つイルミさんの知り合いのヒソカさんならもしかしたら何か分かるかもしれない。
……どの道行かなきゃイルミさんも心配するしね。
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RT - とても面白いです！続編頑張ってください！ (2018年8月30日 15時) (
レス) id: da0e7ea281 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ(プロフ) - 続編が出るのを心からお待ちしております！ (2018年2月23日 13時) (レス) id: 471f321dcd (このIDを非表示/違反報告)
シベリアンハスキー(プロフ) - 凄く続きが気になります！！更新お願いします！頑張ってください！！ (2017年10月29日 3時) (レス) id: a9a6ccf11e (このIDを非表示/違反報告)
お凛 - すごく面白い！続きがとても楽しみです！更新頑張ってください^ ^ (2017年9月7日 13時) (レス) id: 86a1ba0e04 (このIDを非表示/違反報告)
カクテル - 更新早くお願いします！（＾∇＾） (2017年8月16日 16時) (レス) id: 1f958aadd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花 | 作成日時：2017年3月25日 2時
