【うらみちお兄さん】ブラック会社にも癒しはあるそうです

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目に入ったのはダラりと倒れ込んでる足
嘘！どうしよう！救急車！スマホ！スマホ…バッテリー無いんだった！！涙目になりながら倒れ込んでる人に近寄る


『あの！大丈夫ですか…？嘘…どうしよう…って…』


心配で駆け寄った先にいたのは死んだ目をしてただただ虚無を眺めている裏道さんだった。


裏道｢…………Aまで見えてきた…ﾊﾊｯ｣


そう呟き更に目の色を深くする裏道さんに戻ってきて欲しくて裏道の頭を優しく撫でる。すると徐々に裏道の目に光が宿す。


裏道｢………………は…？｣

『裏道さん？お疲れ様です…残業ですか？』


目を開けるとさっき夢でみたAがそこにいた。そうかきっとまだ夢の中なのかと1人で納得してムクリと起き上がる


『あ…！起きましたか？おはようご…っぅ…え…』


ムクリと起きた裏道さんに喜んだのも束の間、ほっぺに柔らかい何かが当たる。時間を掛けてそれが裏道さんの唇だと言う事に気付いた。


裏道｢ん？…は？…A…？｣


裏道さんは我に返ったかのように私の肩を掴み何度も名前を呼ぶ。そう何度も


『…はい…うぅ…揺さぶらないでくださいぃ…』


あれ？ほっぺにキスされた？されたよね？！そんな事はお構い無しに私の肩を揺さぶり続ける裏道さんに返事しか出来なかった

…
……
………

裏道｢…悪かった｣


床に散らばったコバイキンを拾いながら私に謝罪する裏道さんの目の下はうっすらクマが出来ていた。そりゃそうだ…今は深夜3時もう少しすれば始発の時間だ


『大丈夫ですよ…これ…コバイキンに全部顔付けるんですか？』

そう言うとゲッソリしたようにそうだよと薄暗く呟く裏道さん。完璧に眠さがMAX状態だ。私のスケジュールが間違っていなければ今日の収録は三本撮りだった。もし寝不足で怪我でもしたら大変だ


『裏道さん少し寝ませんか？』

裏道｢……俺今ゴム持ってねぇんだけど｣

『……ゴム…？』

裏道｢流石に生は駄目だろ…え…無い方が好きなの？｣

『っ…！ち…違います！そっちじゃなくて！仮眠の方です！』


あぁそっちと遠くを見つめる裏道さん、普段そういう事を言わない裏道さんが真顔で言うぐらいだからよほど疲れてるんだなと実感する。無理やり裏道さんを引っ張って私の太ももに寝かせる


裏道｢……じゃあ…5分経ったら…起こして…｣


抵抗するのも面倒だったのかそう呟き目を閉じる裏道さんにおやすみなさいと笑い机の上にあった物に手を伸ばす

…
……
………

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